11月4日、第44回全日本大学駅伝対校選手権大会が行われる。今年で6年連続の出場となる早大を含む26チームが愛知県・熱田神社西門前〜三重県・伊勢神宮内宮宇治橋前の8区間106.8キロを駆け巡る。前日の今日、区間エントリーが発表された。
レースの流れを作る重要な1区(14.6km)には、ルーキーの柳利幸(教育1)が大抜擢。陸上を初めてからまだ2年も経たない柳の伸びしろはチーム随一だ。走る度に自己ベストを記録する好調さと、キャリアの浅さを意地でカバーする心の強さを買われてのスターター起用となった。1区は全区間中2番目の長さでスタミナも必要となる区間であり、各校も撹上(駒澤大)、田口(東洋大)、井上(山梨学院大)など有力選手をエントリー。しかし夏合宿を乗り越え、先日の10000m記録会でも自己ベストを更新し上り調子の柳ならば、うまく集団の流れに乗って上位で襷をつないでくれるだろう。幸先の良いスタートを切れるかに注目だ。
今年もオムワンバ(山梨学院大)や設楽(啓・東洋大)、村山(駒澤大)など各校のエースが集う2区(13.2km)。早稲田もこの区間に3年連続でエース・大迫傑(スポ3)を起用した。前月の出雲駅伝ではまさかの失速を起こした大迫だが、彼の持つ実力は間違いなくトップレベル。今回は本領を発揮し、エースとしてチームを牽引する走りが見られるだろう。
大迫から襷を受け、スピード区間の3区(9.5km)を走るのは佐々木寛文駅伝主将(スポ4)。大会最短区間であるがラストには上り坂が待ち受けており、スピードとともに冷静さも要求される。出雲ではエントリーから外れた佐々木であるが、ロードでの抜群の安定感には定評があり心配はいらないだろう。主将としてチームに勢いをもたらす走りを見せてほしい。
前半戦最後の4区(14.0km)を任されたのは山本修平(スポ2)。4区は今大会3番目に長い区間であり、設楽(悠・東洋大)、上野(駒澤大)など各校も実力のある選手を起用している。今季は5000m、10000mの両方で自己ベストを更新し、チームを引っ張る存在へと成長した山本。持ち前の積極的な走りでレースを進め、後半戦に向けトップでの襷渡しを期待したい。
全長106.8kmという長丁場のこの大会では、レース後半で大きな順位変動はあまり見られず、前半から上位でレースを進め、流れに乗ることができるかが優勝への絶対条件となる。前半4区間にエントリーされた早稲田の選手たちは実力十分、他チームにも引けを取らない。1区の柳がどれだけ先頭集団の流れに乗っていけるかも1つのポイントとなりそうだ。序盤から先頭で流れを作り優位にレースを進め、うまく後半につなげたいところである。
5区(11.6km)を任されたのは高田康暉(スポ1)。大学初駅伝となった出雲では、1年生ながらも冷静に駆け抜けた高田。大学駅伝2戦目の今回も、落ち着いてうまく流れに乗り、区間上位の走りで次につないでもらいたい。
6区(12.3km)で襷を受けるのは前田悠貴(スポ4)。今季は日本インカレで5000m7位入賞、先日の10000m記録会でも自己ベストを塗り替えるなど調子は上向き。持ち前の安定感ある走りでチームの勢いをさらに加速させ、主軸としての活躍が期待される。
アンカーへと繋ぐ7区(11.9km)は市川宗一朗(スポ4)が任された。前回大会に続き2年連続での出場となる。出雲では出場かなわなかったものの、チームに欠かせない重要な戦力だ。最終学年としての意地と粘りの走りを見せ、トップでアンカーへ襷を繋ぎたい。
最長区間でもある最終8区(19.7km)は、3年連続で平賀翔太(基理4)が務める。今年もベンジャミン(日大)、窪田(駒澤大)など各校のエースがエントリー。出雲では後続の猛追に遭い悔しい結果に終わった平賀だが、経験・実力ともに申し分ない。実力を遺憾なく発揮し、トップでゴールテープを切ってほしい。
先月の出雲駅伝では序盤からうまく流れを作ることができず、6位に終わった早稲田。優勝を狙っていた選手たちにとって、結果は決して満足のいくものではなかっただろう。その出雲を制した青山学院大学は今大会には不出場。しかし前回大会優勝の駒澤大学、安定感のある東洋大学などのライバル校が早稲田にとって依然大きな脅威であることに変わりはない。昨年度の3大駅伝では無冠に終わってしまっただけに、「今年こそは」という思いも強いだろう。王座を奪還すべく選手たちの士気も高まっている。1人1人が最大限の力を発揮し各区間での役割を果たしたその先に、最良の結果が待っているはずだ。
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