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2012年度駅伝特集「伝統を繋ぐ」

早稲田の前に立ちはだかるライバル達≪明治大学編≫


 

4度目の箱根となる菊地。主将としての意地の走りに注目だ。

 「3強」―――昨年度、早稲田・東洋・駒沢の3校はこう称された。それだけこの3校の力は抜きんでていたということだ。実際に出雲駅伝、全日本大学駅伝はこの3校がトップ3を占めている。しかし、早稲田は箱根でまさかの4位となった。3強崩しをやってのけたのが明治大学だ。 

 昨年度の明治には鎧坂哲哉(現旭化成)という大エースがいた。前回大会、彼にとって最後の箱根駅伝では負傷していたにも関わらず、10区で早稲田を逆転し明治を3位入賞に導いている。今年度、鎧坂こそ抜けたものの、前回大会3位のメンバーが8人残る明治はその穴を感じさせない。鎧坂ほど圧倒的ではないとはいえ、エースと呼ばれるに値する力を持った選手が多くいるのだ。

 主将の菊地賢人(4年)は前回大会2区区間5位。今年度は関東インカレ5000mで7位に入賞している。駅伝には怪我のため出走していないが、箱根には合わせてくるだろう。2年生にしてエースの呼び声高いのは大六野秀畝だ。今シーズンは前半こそ怪我に悩まされたものの、日本インカレ5000mでは日本人トップの4位。これまで3大駅伝すべてに出場し、高いレベルで安定感を見せている。また、大江啓貴(4年)も怖い存在だ。前回大会の早稲田と明治の山中での競り合いを記憶している人は多いと思うが、過去2年、大江は5区山登りで東洋大の柏原竜二(現富士通)に次ぐ区間2位と快走している。6区山下りも2年連続で担当している廣瀬大貴(3年)がおり、特殊区間に不安はないだろう。


 

インターハイ日本人1位のスーパールーキー横手。鮮やかな大学駅伝デビューなるか。

 他にも全日本5区区間賞の有村優樹(2年)や箱根7区の明大記録をもつ北魁道(3年)、関東インカレ5000m4位の期待のルーキー横手健(1年)など層は厚い。前回大会4区2位の八木沢元樹(2年)は怪我からの復帰が待たれるが、出走がかなえば早稲田にとっても脅威になることは間違いない。

 西弘美監督曰く、三大重要区間は1、2、3区。このことから、明治は序盤いかにして流れに乗るかを重要視していることがうかがえる。出雲では1区での出遅れが響いての総合11位。全日本では1区から8区までほぼ順位を変えることなく総合5位と立て直したが、主力を数名欠いているとはいえ明治としては満足いく結果ではなかったはずだ。
 残すは箱根のみ。総合力は昨年以上という、明治のエントリーメンバーは4年生3人、3年生3人、2年生5人、1年生5人と、早稲田とは対照的に若い顔ぶれだ。勢いのある下級生と、安定した実力と経験を持つ上級生の歯車がすべてかみ合ったとき、早稲田を最も脅かす存在になるだろう。

関連URL
早稲田大学競走部公式サイト

(TEXT=福島瑠都、PHOTO=矢野真由実)
 


 
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