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双子の設楽兄弟の活躍が目ざましい東洋大学。 |
前回箱根の覇者、東洋大学。山の神・柏原竜二(現富士通)を中心に、各区間で抜きんでた強さを見せた東洋大学は他大学に全く付け入る隙を与えなかった。10区間中6区間で区間賞、うち2人が区間新記録をだす快走を見せ、終わってみれば前年優勝した早稲田の大会記録を8分以上も大幅に塗り替える大会新記録での優勝。東洋大学の圧倒的な強さを見せつけられた駅伝であった。
そんな前回の歴史的勝利を収めた箱根で主力として活躍していた柏原らの学年が卒業した今年、迎えた駅伝シーズン。東洋大学は出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに2位と、安定した力を見せながらもどちらも勝ち切れずにタイトルを逃す結果となった。ともに優勝候補とされていたにも関わらず、悔しい結果で終わってしまった東洋。このままじゃ終われない選手たちの思いは3大駅伝残すところあとひとつ、「箱根駅伝」に賭けられている。
絶対的エース柏原が卒業した今年、まず東洋大学のエースとして挙げられるのが設楽啓太(3年)だ。前回の箱根では花の2区を走り区間2位。大学長距離界でもトップレベルの選手だ。その設楽の双子の弟悠太(3年)も兄と並んでエースと呼ばれるほどの実力の持ち主。前回大会では7区で区間新記録を出す快走を見せた。この双子の設楽兄弟が今季エースとして東洋大学を引っ張る存在だ。
前回8区区間賞大津顕杜(3年)や、6区区間賞市川孝徳(4年)も実力十分。大津は11月の上尾ハーフで2位に入るなど、依然としてロードでの安定感は抜群。市川は1年時から3年連続で山下りを任されており、実力・経験ともに申し分ない。4年連続山下りでの起用となるか。
そして前回4区で1年生ながら区間賞、今年の全日本でも1区区間賞の走りで安定した強さを見せた田口雅也(2年)。次世代のエースとして期待される成長株である。
そのほかにも新戦力の台頭が気になるところだ。出雲で大学駅伝初出走を果たした高久龍(2年)は5区区間賞。続いて全日本では延藤潤(3年)が3区を任され区間2位、佐久間建(3年)は7区区間賞と好走。初の大学駅伝をしっかりと走り切った。
ルーキー服部勇馬(1年)も出雲3区、全日本8区とすでに1年生ながら主要区間を任され監督からの期待が見てとれる。服部は全日本こそ有力選手が集まるアンカーでの起用で駒澤大学窪田忍(3年)に逆転を許す形となったが、実力は今年度のルーキーではトップレベル。箱根での起用区間も気になるところだ。
前回核となったメンバーが多く卒業したといってもやはり安定した戦力は以前と変わらないと言える。柏原らの抜けた穴をしっかり補える力もあるだろう。
そして、柏原が抜けた今年の東洋大学で注目すべきことのひとつが山の5区だ。山上りの経験者がいない中で、また新たな山の神に続く選手の台頭が見られるのか。近年今井正人(現・トヨタ自動車九州)や柏原の登場で5区の重要性が高まりつつあった中での東洋大学の山の区間采配は大いに気になるところだ。
東洋大学の強みのひとつと言えるのが、前回10区区間賞であった主将斎藤貴志(4年)がエントリーメンバーの16人から外れるほどの厚い選手層だ。控えの選手も合わせて、安定した10人の戦力が出せる総合力の高さはやはり出場大学のなかでもトップレベルと言えるだろう。しかし、早稲田も負けてはいられない。優勝候補筆頭との呼び声高い東洋大学だが、そこをどう超えていけるか。「王座奪還」をねらう早稲田の本領発揮といきたいところだ。
関連URL
早稲田大学競走部公式サイト
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