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[ア式蹴球部] 「2013早慶サッカー定期戦特集」

早慶戦直前!中田航平主将インタビュー


第2回対談は中田航平主将(スポ4)。今季は怪我から復帰し、フル出場など元気な姿を見せてくれています。日々の中で自身に対して、またチームのリーダーとしてどんな思いで見つめているのか、お話を伺いました。
 

中田航平主将プロフィール
スポーツ科学部4年
横浜Fマリノスユース出身

――今年度の主将をやられていて苦労とかはありますか
特別苦労をしたなというのはないと思います。でもチームの代表なのでいろんなところに目を配ってやらなきゃなあという意識の部分では変わりました。いつもそんなに主将だなというのはないんですが2月3月の時はチームとしてのミス、例えば遅刻など問題があったときには厳しいことを言ったりいろんな措置を取ったりっていうところではキャプテンというのは大変だなって思うところはありましたね。


――昨日(18日、当日は19日)2年生のDF3人(奥山、金澤、八角)に話の中で中田主将ってどんな人ですかと尋ねると3人とも口をそろえて「完璧っす!」ってとおっしゃっていましたが
 いやあ、全然です(笑)あいつらいいやつでそういう言うところは言えるんで。ほんとそんなことないんです。

――金澤さんとは高校の時から一緒みたいですね
 そうですね、高校の時から一緒なんで前までは「こうへいくん」みたいな感じだったんですけど、最近ちょいちょいタメ語になってきて、あいつも慣れてきましたね(笑)

――春になって1年生が入ってきましたが、チームの雰囲気は変わりましたか
 どうだろう、あんまり変わんないっていえば変わんないっすかね。でも今まで3年とか2年の時って上とも下とも離れて2つだったりしたのでやっぱり1、4となるとちょっと距離というか、ああ自分たちも大人になったなっていう意識があります。特に寮生とかは一緒の部屋じゃなくても同じ時間が長くなるのでかわいいなとか思うときがあります。

――今年度のチームは攻守の切り替えを強みにしようということですが、それは監督からの指導ですか
 そうですね、それは世界のサッカーの流れでもあるんですけども、相手の守備が整った状況でそれを打開していくのは非常に難しい事で、逆にそこが整う前に早くボールに迫っていくということがゴールを得るためには必要なことなので、そこはサッカーの本質として追及していこうということは言い続けています。

―新体制になって4年生が引っ張る形になってチームのことは話されますか
 始まった1月2月3月あたりは4年生でどうやっていこうかとかサッカーの面でもそうですし、私生活の面でもどうやってチームをまとめようかという話し合いは多くしていましたね。でも最近だったらサッカーのことで主にやっているので、プレーでは4年が示していこうと自分たちで話したり、それを実行に移したりしています。

――4年目となると結束は固いですか
 今までもですけど、4年目になったらやらなきゃいけないという感じになりました。学生主体で動いているので、そういった部分で誰かに言われてというよりもみんなで4年目だしやらなきゃいけないっていうのが学年全体でありますね。


――6月8日のアミノバイタルカップで7位本選出場を決めました
 アミノバイタルでは去年優勝してほんとに2連覇を狙って練習していたので7位で終わってしまってすごく悔しい気持ちがありますね。でも、その中でもこういうところは通用しないなという課題が多く見えたので、そういった意味では決して全てが悪かったわけじゃなくてプラスになった部分もあるので切りかえてっていうのが今チームとしてあります。

――具体的に今早稲田に足りない課題というのは
 今まではリーグ戦で失点が少なかったんですけどアミノバイタルで多くなって、守備のところなど今までよかったところが少しできなかったっていうのがありました。アミノバイタルで戦っていく上でけが人が多く出て、失点とかが多くなっちゃう選手層の薄さが現れてしまったかなと。出ている選手だけじゃなくてチーム全体としての総合力っていうのは磨かなきゃいけないなっていうのが見えましたね

――流経大戦後、特にとれるところでとれない試合が続いた中でチームの雰囲気は
なんで勝てないんだろうっていうのは正直ありました。特に法政戦ではロスタイムくらいまでは勝っていてそこから2失点してしまい、勝てる雰囲気で逆転できたという状況だったのですごいその時は感じました。だから笛が鳴ってから鳴り終わるまで気を緩めちゃいけないなっていうのは今回を通じてすごく感じました


 

周囲に「完璧」と言わしめた中田主将。笑顔もばっちり決まってます!


――中田主将からチームに声をかけることはありましたか

 法政戦が終わった後は次の日に試合があって、この最後の青学戦に勝てなかったら総理大臣杯に出場することができなかったのでそこで切り替えるしかないと思いました。だから「切り替えて明日はやってやろう」という話はしていました。

――対してリーグ戦は2位通過で去年の5位に比べていい感じで臨めたのではと思いますが
でも優勝目指してやっているので前半戦が終わった中で2位というのは周りから見れば「ああ早稲田調子いいな」と思うかもしれないんですけど、この時点で1位に立っていたかったというのはみんなが思っているので2位にいるということに満足はしていません。

――今オフシーズンに入りましたが、前期を振り返って早稲田のいいところと悪いところは
 いいところは、今までは負けの試合を負けて、引き分けの試合を引き分けて終わっていたところ、今シーズンリーグ戦では引き分けの試合だったら明治戦とか最後池西(池西希スポ4)が逆転ゴールを決めてという風に勝負強さがついたのかなと戦っていて感じました。アミノバイタルではまだまだだなっていう部分があるんですけど比較的勝ち点を取れたというか6勝2敗1分という悪くはない成績だと思うのでよかったです。悪いところは先ほども言ったように選手層がちょっと薄いかなというのがあって、選手が入れ替わる流れの中でまだみんな仲間の中で信頼を勝ち得てないというか信じきれてないなという部分があるのでそれをこのオフシーズンでなんとかしなきゃなと思います。


――中田主将は今シーズンリーグ戦の途中出場から始まり、アミノバイタルの全試合出場と来ていますが、今の調子はいかがですか
リーグではずっとスタメンで出れなくて悔しい思いをした中で少しずつ出られるようになって、アミノバイタルでは負傷した選手がいて出るチャンスを得たんですけど、最初は自分らしくないなというかあんまり自信が持てませんでした。アミノバイタルを通じて自分ができることとできないことがはっきりしたので、いい意味で自信につながってその後の練習では自分の足りないところを補うことができたのでよかったなと思います。

――途中出場とフル出場というのは意味合いが全然違ってくるものですか
 スタメンで出るっていうことは選ばれし者であり、信頼を勝ち得た人だと思うので、自分も途中出場じゃなくてフル出場が全てだと思っています。でもその中で与えられたポジションを途中でも自分は今何をしなければならないのかと考えて全うしなければならないと思います。なんだかんだフルで出場したいですけどね。

――先ほどけが人続出というお話をされていましたが、中田主将自身も4年になるまでの過程で怪我が続いていましたね
 1年の最初はずっとAチームでプレーしていて、その年の9月に怪我をしてから3年の7月までずっとBチームで怪我して復帰して離脱してというのを繰り返していました。1年の時はほんとに2年になったら出れるのかなと思いながらプレーをしていたので怪我には悩まされましたし、怪我したことによって周りの成長に比べて自分は成長していないと実感したので「もったいない、悔しい年月」だったなとは思います。

――焦りはありましたか
ずっとこのまま治らないのかなというのは思ったりしていましたね。でもそこでただ今までと同じことをするだけじゃなくて新しいことやらなきゃなと思い立って、そのことが復帰につながったと思います。自分の体に向き合うという点では怪我したことによって習慣化したのでそれはそれでよかったのかなと。

――きついと思う時もあったはずです。そこでやめようとは思わなかったのですか
 いやあ、多少は思いましたね。サッカーできないならやってる意味ないなと少しは思ったんですけど自分はスポーツ推薦で入ってその責任だったり、家族や応援してくれる人がいるからこそ頑張らなきゃいけないなというのはそう思う度に思って、結果やめずに今に至るって感じですね。

――やっぱり応援してくれる人の存在は大きいですか
家族、特に母親はすごい応援してくれて。自分は寮に入っているのであんまり会う機会がなかったりして、サッカーで活躍するっていういい報告をすると喜んでくれるのでなんとしてでも頑張らなきゃなというのは思っています。友人は試合を観に行くよっていう話をくれたり、今まで小・中・高とマリノスでプレーしていた時代に応援してくれた人たちが大学に入っても応援してくれるので頑張らなきゃいけないなと思ってます。

――最近の感謝した瞬間は
 スタメンに3月の途中まで出ていてそれからスタメンを外されてっていう流れから前期ずっとベンチスタートで。ベンチから外されたときにようやくやばいなと思って、そんなときに親にどうすればいいか相談したら父親から長文メールを何通も送ってくれて、それが自分がへこんでいたけれども吹っ切れたというか頑張れると思えるきっかけになったのでそれがすごく家族の存在は大きいなと思ったときでした。

――いろいろな支えがあって今があると思いますが、やっぱり早稲田に入ってよかったですか
 良かったと思いますね。サッカー以外で人間性がより重視されているんじゃないかって思うくらい私生活の面とかを見つめ直そうということをやっているのですごく人として成長できたかなと思います。早稲田じゃなかったらできないのかなとも思います。

――マリノスのユースからプロに上がるよりも一歩段階を踏むことは大きいですか
 自分の中でプロに行けても行けなくても大学には行こうと考えていました。そこで早稲田を選んでプロに行っただけじゃ学べない人としての成長を学べたので早稲田に来てよかったと思います。


――あと2週間弱でラストの早慶戦を迎えます。気合はいつもと違いますか
もともと早稲田に入りたいと思ったきっかけが早慶戦を見たっていうのもあって自分の中ですごい憧れがある舞台で、それでいて今まで3年間悔しい思いをしてきたので今回このチャンスになんとしてでも出たいという気持ちは誰よりも強く持ってるかなと思います。

――今回ラストの早慶戦であり、最後の国立となりますが、縁を感じたりしますか
 高校時代の全国大会の準決勝を国立でやって、そのときやる前は国立って聖地っていうけど別になんなんだろうって思ってたんですけど、実際ピッチに立ってみたら鳥肌立って他のスタジアムとは違うなって印象があったので、またあのピッチで真剣勝負したいなとは思ってます。これが最後の機会になると思うのでなんとしてでもピッチに立ちたいです。


 

 

――みなさんピッチに立たれると絶対雰囲気が違うとおっしゃいますが、どう違うんですか
 なんすかねー(笑)なんなのか分かんないんですけど、高校時代は準決勝が国立だったんですけど決勝は埼玉スタジアムで、国立の時はなんか鳥肌が立つっていうか震えるものがありましたね。わかんないんですけどメインスタンドの迫力違ったかなと思います。分かんないんですけど(笑)立った人にしかわかんないんだなって思いますね、あれは。

――国立に向けてどのようなプレーを思い描いていますか
良かったと思いますね。サッカー以外で人間性がより重視されているんじゃないかって思うくらい私生活の面とかを見つめ直そうということをやっているのですごく人として成長できたかなと思います。早稲田じゃなかったらできないのかなとも思います。

――目指すは2連勝ですね
ちょっと前に史上初の3連敗をしてやっぱり屈辱的だったと思うし、早稲田として慶応には絶対負けられないだろうっていう思いはすごく強いのでこれから早稲田がずっと何連勝もできるためのスタートになれるように連勝したいです。

――最後になりますが、意気込みをお願いします
自分としては最後の早慶戦ですし、これが最初の早慶戦でもあるのでとにかく出場してチームが勝利できるように自分が持ってる力を最大限出したいと思います。やっぱり1万人を超える定期戦というのは早慶戦以外ないと思いますので多くの人たちが観に来てくれることで自分たちの力に必ずなると思うのでぜひそういう人たちの思いを背負って頑張りたいと思います。

 

 終始和やかな雰囲気で楽しい対談でした。その中でも自身やチームを見つめた時、瞳の裏側に映る熱い思いが感じられ、時折見せる真剣な眼差しが印象的でした。そんな中田主将が引っ張る早稲田は絶対に負けるはずがない!ぜひ国立へ足を運んで応援しよう。



関連URL
ア式蹴球部公式ホームページ

(TEXT=西村侑美、PHOTO=磯綾乃)
 


 
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