2011年の夏季
ユニバーシアード 深セン大会10000mの覇者である大迫、世界の学生ランナーを牽引する彼が今季狙うのは五輪出場だ。
大迫は、5月に行われたゴールデンゲームズinのべおかでの10000mにおいて自己新記録となる27分56秒94でロンドン五輪B標準(28分05秒00)を突破した。
この10000mのレースから1週間後の関東インカレ5000mでは、後半の接戦をものにし、優勝を果たした。レース後「日本選手権につながるレースだった」と話す大迫は、既に次の舞台への構想が出来上がっているようだった。
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昨年度日本選手権(5000m)の様子。ラストまで熾烈なスパート合戦を繰り広げた。
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A標準(27分45秒00)を突破し、日本選手権で優勝することが五輪への最短最速ルート。まず大迫に求められるのは、A標準の突破、そして優勝することだ。
しかし、日本選手権には、すでにA標準記録を突破している宇賀地強(コニカミノルタ)、宮脇千博(トヨタ自動車)、鎧坂哲哉(旭化成)がエントリーしている上に、実業団、大学で活躍するランナーが名を連ね、10000mでの代表争いは熾烈を極めている。
ここで、10000mにエントリーしている早稲田OBの紹介をしたい。竹澤健介(現ヱスビー食品)だ。 竹澤は、学生時に北京五輪、世界選手権に出場している有力選手の一人であり、5000m、10000mの早稲田記録保持者(5000mは日本学生記録)である。 日本選手権では、大迫のA標準突破だけでなく、早稲田記録の更新がかかっており、母校の先輩であっても勝ちは譲れない。大迫がロンドン五輪出場を決めれば、竹澤以来の競走部長距離ブロックとして2大会連続の五輪出場者輩出となる。
ウィルウィン注目ポイントは、大迫の強気な走りだ。
大の負けず嫌いな彼が、1位を独走している印象があるというファンも多いのではないだろうか。特にロードでは、箱根駅伝1区での他大を寄せ付けない走りが印象的。日本選手権ではどのような位置取りで、レースを展開していくのだろうか。混戦になることが予想されるが、彼の頭の中は、誰よりも速くゴールすることだけしかないだろう。
大舞台になればなるほど、彼の闘争心に火をつけるらしく大きな大会での好走が光る大迫。日本選手権も日本のトップの選手が集う大会、彼にとっても大きな舞台の一つだ。ここで、優勝を果たし、ロンドンの地を走る彼の好走が見たい。
【2012年度・大迫傑※10000mのみ】
4月22日 兵庫リレーカーニバル(グランプリ決勝) 28分26秒94 (8位)
4月29日 早稲田大学長距離競技会 29分31秒7(2着)
5月12日 ゴールデンゲームズinのべおか 27分56秒94(2着)
関連URL
早稲田大学競走部公式サイト
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