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箱根駅伝直前! 第91回箱根駅伝 変更点紹介

 世界で戦う長距離選手の育成を目的に、第1回箱根駅伝が開催されてから95年。これまで時代とともに数々のルール変更を重ねてきたが、きたる91回大会からも、変更点がいくらかある。


一番の変更点は5区と6区のコース変更だ。山の名所として知られる「函嶺洞門」が、安全性向上と渋滞緩和のため封鎖された。「函嶺洞門」といえば山のふもとに位置し、テレビ中継だとクレーンカメラでの空撮がある。現地には個性的な応援の姿もあり、箱根駅伝ファンには親しみのある場所だろう。選手目線になると、5区であれば「函嶺洞門」を抜けたら本格的な山上りのスタート。逆に6区であれば長い下りが終わり、中継所までの平坦へと気持ちを入れ替えるポイントだ。


 

いまは封鎖されひっそりとしている函嶺洞門

この封鎖に伴い、選手は「函嶺洞門」を迂回するバイパスを通ることとなる。これにより5区、6区の距離はそれぞれ約20m伸び、これまでの5区と6区、さらに往路、復路、総合の記録は参考記録扱いとなる。ちなみにこれまでの往路、復路、総合の記録を持っているのは東洋大だ。5区の区間記録は柏原竜二(東洋大卒、現富士通)の持つ1時間16分39秒、6区は千葉健太(駒大卒、現富士通)の58分11秒。これらの偉大な記録への挑戦を志していた選手もいたことだろう。91回大会の5区と6区の区間賞獲得者は区間記録保持者として名を残すこととなるが、今後新たに目標とされるような好記録に期待したい。

近年の箱根では山が非常に大きなウエイトを占めている。ここ3年は5区の区間賞取得校が往路優勝、そのまま逃げ切りで総合でも優勝するというパターンが続いている。早稲田が総合優勝した87回大会では5区で首位をゆずったものの、6区ですぐに逆転。復路はそのままトップを守ってのゴールだった。このように総合優勝を目指すにあたって、まずは往路優勝、そうでなくとも5区終了時点で復路序盤に逆転可能な位置につけていることが絶対条件といえる。やはりカギとなるのは山の2区間。さらに距離が伸びた今回、ますます目が離せない。
また距離の再計測の結果、誤りのあった1〜3区、7〜10区のそれぞれの距離の表記が改まる。これらの区間はコースに変更はないため、区間の歴代記録も有効だ。

もうひとつの変更点として、給水方法の変更がある。これまで定点給水に加え、監督自らが監督者を降り、並走しながら給水を手渡すことが認められていた。今回からは給水ポイントが増える代わりに、監督からの手渡しは一切禁止となった。また、1区と6区に関しては給水はない。真冬とはいえ脱水症状等が見られることもある箱根路、選手にはよりいっそうの自己管理が求められる。また、運営管理車の徹底も行われる。道中での監督の檄は箱根名物ともなりつつあるが、選手への声掛けのタイミングも定められている。改めてルールを厳守するよう呼びかけられた。


 このような変更により、91回大会は前回までとは少し違った風景になるかもしれない。前回結成されなかった関東学連選抜は、今回からまたオープン参加として戻ってくる。「箱根から世界へ」を掲げ、より世界で戦う選手を育成しようとの思いのもと、模索が続いているところもある。今回の箱根からも、ジャパンを背負う選手が出るだろう。彼らの、母校のプライドをかけた戦いも、熱くなることは間違いない。

(TEXT、PHOTO=福島瑠都)

 

 


 
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