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2014/11/02[競走部]

早稲田、まさかの7位シード権獲得ならず 残すは箱根のみ
第46回全日本大学駅伝対校選手権大会 レポート

 11月2日、愛知県名古屋市熱田神宮西門前〜三重県伊勢市市背神宮内宮宇治橋前にて8区間106.8キロで争われる第46回全日本大学駅伝対校選手権が開催された。先月の出雲駅伝は台風の影響で無念の中止になってしまい、この全日本が初戦という形になった。しかし、選手達は伊勢の神を味方につけ、気持ちを切り替えて全力で挑んだ。優勝は駒澤大学で、2位3位、シード権争いは最後まで分からない展開となった。


 

1区、リベンジに燃える柳

 1区は各校のエース級が登場。早稲田は昨年に続き柳利幸(教3)。昨年は大きく出遅れてしまい、同じ失敗はしないと誓い挑んだ。序盤5キロまでは1キロ3分を切る落ち着いたペースで進み、柳は先頭集団にしっかりとついた。しかし、5キロ過ぎから村山謙(駒大4)、村山紘(城西4)、一色(青学2)、平井(京大3)らがペースを上げ、集団が散けた。最後の村山兄弟のデッドヒートは凄まじかった。柳は先頭集団についていけず、トップとの差1分7秒の8位で繋いだ。

 2区は高田康暉(スポ3)。今年は怪我に苦しんだ時期もあったが、駅伝にはしっかり合わせてきた。序盤から積極的な走りで、服部勇(東洋3)や久保田(青学3)らと4位争いに加わった。3位の城西に迫った時もあった。アップダウンが激しい区間ではあったが、順位を2つ上げ6位のシード圏内で繋いだ。

  最短区間の3区は中村信一郎(スポ3)。序盤は6位を守っていたが、有村(明大4)に2秒差まで詰め寄られ、下りを利用し抜かれてしまった。最後はフラフラになりながらも襷を繋いだ。中村は9位に順位を落としてしまい、自身も区間15位と苦しい結果になった。

 4区は3年連続で山本修平(スポ4)。主将としてこの1年間チームを引っ張ってきた。序盤は落ち着いた入りであったが、徐々にペースを上げ、区間賞を狙える走りを見せた。順位も3つ上げ、シード圏内の6位で繋いだ。区間賞までわずか8秒差の41分09秒で区間2位。主将の意地を見せた。

  5区は大学駅伝デビューの光延誠(スポ1)。「合宿でやってきたことがちゃんとあるから、不安を自信に変えたい。順位をキープしたり上げることが目標。」と話していた光延は、序盤から1キロ3分を切る好ペースで走り、一時は5位の大東大との差を6秒まで詰めるも8位で襷を渡し、トップとの差も4分58秒と広がってしまった。

 6区は井戸浩貴(商2)。昨年は7区を走り、区間3位という好走を見せ、今年は10000mで28分台も出し好調である。依然として西山(駒大2)はトップをキープしたままである。井戸は前を行く5位平塚(大東大4)と6位木(東海3)との間にあった13秒をじわじわと詰め、一時順位を5位まで上げた。しかし、5位の大東大と34秒差の6位で襷を渡し、7位の東海とは1秒差まで詰め寄られた。しかし全日本を前に、「チームの優勝のためには最低でも区間3位以内は絶対に必要になるので、最低限それを果たすこと。」と語っていた井戸は、最低限の目標としていた区間3位という記録を残した。

 7区は大学駅伝デビューの佐藤淳(スポ2)。何とか順位を上げ、アンカーの田口に余裕を持って襷を渡したいところである。黒川(駒大4)は区間新のペースでトップを独走している。佐藤は1つ順位を落とし7位で10.5キロを通過し、6位の石田(大東大3)との差が16秒と少し厳しい距離になってしまった。アンカーの中継地点では、6位大東大と13秒差の7位で渡し、8位の阿部(山梨学院4)とは34秒の差を作った。


 

必死に前を追う8区田口

 8区は全日本は初めての田口大貴(スポ4)。後輩から大変慕われている選手である。序盤からひたひたとオムワンバ(山梨学院3)が田口に近づき、し烈なシード権争いが繰り広げられた。田口は中継所で13秒差だった6位の植木(大東大4)に追い着き、積極的な走りを見せる。7キロ過ぎ、オムワンバが迫ってきたことを察し、ペースを上げ、大東大を離しにかかる。田口は30秒程差がある中川(東海4)の背中を懸命に追い、オムワンバからも必死で逃げた。ゴールまで残り7.9キロ地点では、依然としてトップの駒大、2位青学、15秒離れて3位東洋、4位明大、そして5位東海6位山梨学院と続き、7位に早稲田が通過した。5位東海とは29秒差でオムワンバとはわずか1秒差であった。一方2位3位争いもし烈で、青学、東洋、明大それぞれの意地がぶつかり合った。大六野(明大4)がオムワンバを上回るタイムと力走を見せ、区間賞を獲得。結果は駒大が5時間14分36秒で大会史上最多優勝と4連覇を成し遂げ、新たな歴史を作った。そして、2位に明大、3位に青学、4位に東洋と最後まで分からない結果となった。そして、田口の歯を食いしばった懸命な走りも、前との差を縮めることが出来ず、早稲田は5時間22分33秒で7位という結果で、シード権を獲得することは出来なかった。

 「チームワーク」で挑んだ本大会。エースがいなくても一人一人が今までの練習の成果を出せば勝利を掴めると確信していたものの、序盤から他校に引き離され優勝争いに加わることも叶わなかった。区間賞を獲得した選手もおらず、選手たちには悔しさが残ったことだろう。この結果をバネに一人一人が奮起し、箱根路での活躍に期待したい。

     

2014年第46回全日本大学駅伝対校選手権大会

区間
氏名
学年
学部
出身
個人記録
区間順位
チーム順位

1区

柳 利幸
3
教育
埼玉・早大本庄
44.05
8
8

2区

高田康暉
3
スポ科
鹿児島・鹿児島実業
39.25
7
6
3区
中村信一郎
3
スポ科

香川・高松工芸

28.55
15
9
4区
山本修平
4
スポ科
愛知・時習館
41.09
2
6
5区
光延誠
1
スポ科

福岡・鳥栖工業

 35.27 
11
8
6区
井戸浩貴
2
兵庫・龍野
36.41
3
6
7区
佐藤淳
2
スポ科
愛知・明和
36.18
12
7
8区
田口大貴
4
スポ科
秋田・秋田
1.00.33
11
7
5.22.33
 
7

 

関連URL
早稲田大学競走部公式サイト

(TEXT=川口恵、PHOTO=西村侑美)
 


 
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