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入場時のPR垣永主将 |
あと一勝…
ついに、悲願の『荒ぶる』が見えてきた。
大学日本一を決めるこの一戦。相手は全国大学選手権4連覇中の王者、帝京大学。関東大学対抗戦でも唯一、敗北を喫した相手だ。
5年ぶりの『荒ぶる』を目指す、早稲田大学。
前人未到の大会5連覇を目指す、帝京大学。
最後に、勝利の女神がほほ笑むのはどちらか…
帝京大学のキックで試合が始まると、FL布巻峻介(スポ3)からボールを受けたWTB荻野岳志(先理3)が50m近くの距離を走りぬけノーホイッスルトライ。開始30秒ほどの出来事だった。このまま、早稲田のペースに持ち込むことが出来るかと思われたが、帝京のブレイクダウンに圧倒されてしまう。12分、帝京LO小瀧尚弘にトライを許してしまい7-5。 16分にペナルティーゴールのチャンスを得るも、失敗。
その後もなかなか主導権を握れない時間が続き、早稲田の自陣ゴール前でのラインアウトから帝京に攻め込まれ、密集から帝京PR深村亮太が早稲田のタックルの上から手を伸ばしてトライ。その後のゴールも決まり7-12と逆転を許してしまう。
早稲田が守る時間が続く、前半終了間際SO小倉順平(スポ3)がキックを蹴り、相手にプレッシャーをかけにいったところで、ホーンが鳴る。しかし、そのまま早稲田は攻め続け、そこで帝京が反則を犯す。早稲田はペナルティーゴールを選択し、成功。10-12で前半を終える。
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ハットトリックの活躍のWTB荻野 |
後半は、帝京WTB磯田泰成のノーホイッスルトライから始まる。帝京に主導権を握られるのを避けたいところだが、8分帝京CTB中村亮土主将がペナルティーゴールを外した後のボール処理が上手くいかない。9分帝京CTB中村がペナルティーゴールを決め10-22と点差をつけられてしまう。その後も、流れを引き戻せない早稲田。12分、15分に帝京SO松田力也にトライを許し10-34。
このまま終わるわけにはいかない。
やっと主導権を握ることに成功した早稲田。18分に今試合2トライ目をWTB荻野が、19分にCTB坪郷勇輝(商4)が連続トライを決め22-34。
その後も攻め続ける早稲田。
27分、WTB荻野が今試合3トライ目。直後のゴールも決まり29-34に。1トライ差までに迫るが、その後は帝京に攻め込まれる展開に。しつこく組まれるラックから30分、帝京HO坂手淳史がトライし、29-41。再び点差を広げられてしまう。
怯むことなく攻めにいく早稲田。残り時間も少なくなり、帝京陣内のゴール付近で密集戦が繰り広げられる展開に。帝京が反則を犯したところで、流れが早稲田に戻ってきた。「誰も諦めてなかったんで、最後の1分まで、最後の笛が鳴るまでもう戦い抜こうと、勝利を信じていた。」と試合後に語ったCTB坪郷がこの試合2トライ目を決めたところで終了のホーンが鳴り響く。
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試合後、FL金副将は誰よりも激しく泣き崩れた。
支えているのは、SH岡田一平(スポ・2) |
FB藤田慶和(スポ2)が蹴ったボールの行方も見ずに、泣き崩れた早大フィフティーン。
帝京大学の5連覇が決まった瞬間だった…
「本当にもう全てを出し切った。(PR垣永真之介主将・スポ4)」 試合直後には涙を見せる場面もあった。しかし、死力を尽くした結果が1トライ1ゴール差の34-41というスコアに表れている。 「全然勝てない相手じゃなかった。(FL金正奎副将・教4)」、「強かったんですけど、全然戦える相手。(FB藤田)」と金や藤田が語るように帝京との距離は確実に近づいている。「もっと努力すればもっと近いものになる。(WTB荻野)」、この悔しさを晴らすために努力のシーズンがまた始まる。
(TEXT、PHOTO=猪野史夏)
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