WasedaWillWin.com
 
2007/10/28 [野球部]

ドラマは延長戦にあり 華の早慶一回戦

 
 
 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
 
早大
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
慶大
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1

東京六大学野球
早稲田×慶応
10 月28日(日)
神宮球場

 台風のため土曜日の試合が延期となり、28日の日曜日が早慶戦の第一戦となった。すっきりと晴れた紺碧の空のもと、学生達が若き血を沸き立たせて神宮に集う。優勝をかけた注目の一戦、さあ、いよいよ試合開始だ。

 先発の斎藤佑樹(教1)はたびたび走者を許すも6回までを無失点で終え降板。その後は大石達也(スポ1)、松下建太(スポ2)と下級生の継投で慶應打線を抑え込む。これら投手陣の踏ん張りに応えたい打線だったが、慶應の先発加藤幹の気迫の投球になかなか得点のきっかけがつかめない。稲穂祭で「ホームラン打ちます!」と熱い意気込みを語ってくれた4年生達の活躍も、残念ながら見られない。4回に訪れたチャンスにも、あと一歩のところで得点にいたらず、結局両校9回まで無得点のまま、試合はあっという間に延長戦に突入した。

 11回、二死から小島宏輝(社2)が安打で出塁すると、続く上本博紀(スポ3)が四球、細山田武史(スポ3)が死球で出塁し満塁のチャンス。しかし、松本啓二朗(スポ3)があっさり打ち取られあえなく無得点に終わると、12回表も快音を響かせることはできず、いよいよ試合は12回裏へと突入。この回を抑えれば引き分け、というところで投手はエース須田幸太(スポ3)に交代。ところが、四球を重ねあれよあれよという間に二死満塁、一打サヨナラのピンチ。迎える打者は4番青池。カウントは2-3。思わぬところで、ドラマが訪れた。

 両校祈るような思いで一球のゆくえを見守る。一瞬が非常に長く感じられた。決着がついたのはようやく11球目のことだった。高く弾んだ青池の打球は遊撃手本田将章(スポ4)のもとへ。本田の一塁への送球は…わずかに間に合わなかった。サヨナラ負けだった。応援席はみな放心状態で、狂喜乱舞の慶應サイドをただただ呆然と眺めているばかり。須田を責める声も聞こえないわけではないが、隣席の女学生などは、「須田はどれだけプレッシャーだっただろう、どれだけ悔しかっただろう。」と涙を浮かべていた。応援することしかできないけれど、選手と一緒に悔しがり、一緒に喜ぶ人たちがここにはたくさんいる。須田が早稲田を引っ張る4年生エースとして、春のマウンドに戻ってくる姿を待っている人はたくさんいる。次は涙ではなく、喜びを一緒に味わいたい。

 負けてしまったのは悔しいけれど、優勝争いにふさわしい好試合だった。最後に粘った青池、そして12回166球を投げぬいた加藤に拍手を送って、今日の試合を終わりにしよう。


 …第二戦は2-0と松下が完封し勝利、続く三回戦も斎藤の完封で7-0と勝利し、早稲田は悲願のリーグ優勝三連覇を達成した。しかし法政には4回戦まで持ち込まれ、明治には勝ち点を奪われるなど、早慶一回戦以外は無敗を誇った春に比べて苦戦を強いられるリーグ戦であった。来季はさらに主砲田中が抜けた穴を埋めることが必須となる。得点力不足が心配されるが、原や小島など長打力のある選手もいる。新4年生を中心に新たに頑張ってもらいたいところだ。一方投手陣は、春以上に成長がみられ今後が期待できそうだ。一番目立ったのは先発・中継ぎ・抑えに大活躍した大石だろう。コントロールがよく非常に安定感のある投手で、今後が非常に楽しみである。もちろん春に引き続き斎藤、松下からもますます目が離せない。
 春の「佑ちゃんフィーバー」も少し落ち着き、観客の数も少し減った秋のリーグ戦。しかし試合はますます面白くなってきている。相手チームも春の雪辱を晴らすべくさまざまな対策を練って試合に臨んでおり、春に比べて試合のレベルが上がっているのだろう。「強敵早稲田」の存在によって、六大学全体が盛り上がってきているようだ。これからもプレーを通して、早稲田大学だけでなく、六大学全体を活気付ける存在であってほしい。

 

順位表 全日程終了 10/30現在
順位
 
試合
勝点
1
早稲田大学
14
9
4
1
4
.692
2
明治大学
14
8
4
2
4
.667
3
慶應大学
14
7
5
2
3
.583
4
法政大学
13
6
6
1
2
.500
5
立教大学
12
5
7
0
2
.417
6
東京大学
11
1
10
0
0
.091
 

 

2007年度秋季リーグレポート
9月22日 vs法政大学1回戦 試合レポート
9月23日 vs法政大学2回戦 試合レポート
9月29日 vs立教大学1回戦 試合レポート
10月13日 vs明治大学1回戦 試合レポート
10月14日 vs明治大学2回戦 試合レポート

関連URL
東京六大学野球連盟

(TEXT、PHOTO=酒井杏奈)

 


 
WasedaWillWin.com HOMEへもどる