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2008/4/27[漕艇部]

第77回早慶レガッタ観戦記

 
セッター北沢
 

 
安定したプレイを見せた松永健太
 

 
 
安定したプレイを見せた松永健太
 

 

 春の香り漂う隅田川に浮かぶ2漕のボート。早慶両校の維持とプライドをかけて戦う春の風物詩『第77回早慶レガッタ』が今年も開催された。

 「今大会は波と風が強く、朝の段階では中止もやむを得ないと思った。」と大会関係者。その言葉通り、早慶エイトクルーは悪条件の中でのレースを強いられた。Will Win記者の乗った取材艇も上下左右に揺さぶられる事から、このレースの過酷さを実感させられたほど。

 「試合前のミーティングでは、スタートから差をつけるつもりでいた。」早稲田福田哲也(スポ4)主将の言葉とは相反するように、スタート直後の滑り出しは互角。序盤から両校エイトは、並走。試合は接戦かと思われる状態が続いていた。  試合が動いたのはスタートから約1000m、厩橋付近。依然高波と風に苦戦する慶応クルーを後目に、早稲田クルーは力を発揮する。波に取られていたオール捌きもリズムを取り戻し、ボートのバランスが安定し始めた時、早稲田クルーのボートがすうっと滑るように前に出た。1挺身、2挺身…。磁石が引き離されていくように、慶応・早稲田の差はグングンと開いていく。

 コックスの掛け声もより一層激しさを増し、8人のクルーの動きが美しくシンクロする。慶応から逃げ切るように、ゴール直前の桜橋を通過。そのままゴールラインを割った。最終的なリードは3挺身半。圧倒的大差での勝利。勝った早稲田の船上では、喜び溢れたクルーの雄叫びがこだましていた。

 試合後の記者会見、福田主将は今日のレースを次のように振り返る。「今日は波が高く、風も強い。アップの段階から、思い通りに焦げない事はわかっていました。だから、『楽しく漕ぐ』常にこれを念頭においていました。試合でもみんなで声掛けをしていたんです。」  開会式、主将に優勝旗が手渡された。歴代の優勝校が刻まれた大きな旗。どんな悪条件でも最後まで帆を進める、そして何より競技を楽しむ。早稲田クルー8人の男たちの熱き戦いは、早慶戦の歴史に新たな1ページを刻んだ。

関連URL
漕艇部公式ホームページ

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(TEXT=小垣卓馬、PHOTO=田辺里奈、小垣卓馬)
 


 
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