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  Realvoice年間プロジェクト 

2003/11/30掲載 第3回

水泳部競泳部門 三田真希選手

(前のページより)

 
三田選手
 

――今回はリレーにも出場して優勝しましたよね。リレーについてはどうでした?
 もう、はい、嬉しさ4倍でしたね。

――嬉しさ4倍(笑)。
 やっぱり4人の力で勝てたというのは違った嬉しさがありますよ。レース前からうちと競るのは永井さんと山田香さんのいる筑波だな、というのは分かっていたんですよ。リレーは私が第一泳者だったんですけど、予選のときに自分がベストタイムで泳げて、コーチの方から「もう先頭に行って逃げ切って来い」と言われて。筑波の第1泳者は山田香さんだったんですけど、私、4月の日本選手権では山田さんに負けて、ユニバーシアードの代表にも漏れちゃって…、それでどうしても勝ちたかったんですよ。タイプとして、最初の50は向こうの方がスプリンターなんで早いのは分かっていたんで、後半に勝負しようと戦略を立てて、その通りにうまくいったからよかったですね。

――それで、今回のインカレで優勝という結果を出したことで、自分の中に気持ちの変化はありました?
 とにかくすっきりしましたね。うーん、口で言うのは難しいんですけど、とにかく初日の200で勝つ、という気持ちが大きくて、それで今までがよくなかったんで、実際勝てたときはもう頭の中がわけがわからなくなりましたね。

人と戦うというより、自分と戦ったレースでした

三田選手
 
 

――新聞記事では「涙の優勝」と書かれてましたね。
 マスコミでは「三田は終わった」なんて書かれてましたからね。そうした人たちにまだ終わってないよってのを見せたかった、というのは確かにありましたね。勝手に決めるな、って感じです(笑)。そう、いつも話を聞いてくる人も今回は来なくて、で、決勝終わったらみんな来て(笑)。

――いかにもマスコミっぽい(笑)。
 マスコミの話は置いておいて(笑)、今回のレースなんですけど、自分の頭の中では優勝へのイメージトレーニングは出来ていたんですよ。でも、自分のどこかに不安なところがすごくあって、レース前は泳ぐの怖かったし早く終わらせたい、って思っていたんですよ。だけど、そこで逃げてちゃダメだなっていう自分もいたんで、最後は冷静に自分を見ることが出来たのが今回の結果につながっているな、と思います。なんて言うんですかね…。人と戦うということより、自分と戦っていたという感じだったんで…。嬉しかったですね。今までそういうところで弱かったんで。あそこまで喜びを表現できたのは初めてでしたねぇ。

――それは前に練習のことを聞いたときに、自分で追い詰めていかないといけない言ってた部分ですね。
 早稲田で練習するようになってから、自分自身のやらなければいけないこと、もっとこういう自分でありたいという像というのが明確になって、それで練習中にも常にプレッシャーをかけるようになって、それがいい感じにレースにつながりましたね。

――かえすがえす、優勝おめでとうございました。
 ありがとうございます。

 勝てたコトは素直に嬉しかったんですよ。でも、レースを後から振り返ってみて、レース展開とかタイムとか不満に感じる部分があって。これからは来年のことを考えて、一からやり直していかないとな、って思いましたね。

 この言葉に現れているように、彼女は今回のレースで、自信と今後への課題の2つを得たようだ。あとで振りかえったっ時、このレースがアテネへと続く長い道に印された大きな足跡となればいいなぁ、とぼくはそんな思いを抱いた。



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(TEXT、PHOTO=田村拓実)

 

 


 
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