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2009/9/27掲載

競走部 江里口匡史 第2回




前のページより)


 
江里口匡史選手の世界選手権の成績
  100m:1次予選 10秒38(-0.2)組3着
     2次予選 10秒45(-0.8)組8着
    4×100mR:4位入賞 38秒30

――ここからは8月の世界選手権について伺います。改めて世界選手権でのご自身のレースを振り返って頂けますか?
 個人の100mは、よく分からないうちに終わってしまったっていうのが、率直な感想というか…。自分が世界陸上に出て走るっていうことを事前にイメージもしましたし、色々対策など考えたりしてやってはいたんですけど、実際始まったと思って気がついたらもう二本走って終わっていた感じがありました。自分ではいつも通りなのかなと思ってスタート位置には立っていたんですけど、今思えば本当に分からないというか、走った内容も失敗したポイントだけしか覚えてないですね。それくらい多分雰囲気に呑まれたというか、試合に上手く適応していなかった自分がいるんだろうなと思いますし、まだ実力という面でも及ばないところが大きかったと思いますね。

――今大会の位置づけは、どの辺りに置いていましたか?
 シーズンが始まる前は(世界陸上に)出場することが目標で、実際に日本選手権では結果と記録も出すことができて代表には選ばれたんですけど、まずは「(世界の舞台を)経験をすることが大事」だと思っていました。本番では今の状態の実力を出し切ることが重要だと思っていて、それが2次予選で一番発揮できれば準決勝に引っ掛かるかどうか位だろうと思っていたんですけど、実際はそういう走りもすることが出来なくて結局2次予選落ちで終わってしまいました。まだ位置づけとしては決勝を狙うとか9秒台を出して走るとかは全く考えてなかったですし、やはり出てみなければ分からないことがあると思ったので、まずは自分の調子を整えて、それで出てみなければと考えていました。

――前回の取材で、学生のうちに世界の舞台に立ちたいと話していましたが。
 やはり早いうちから経験することは大事なことだなと思いました。今回の世界陸上を踏まえてのインカレに対しての捉え方の違いもそうですし、世界を経験することで今まで自分の見てきたものがまた「別の視点で捉える事が出来るようになった」というか、そういう違った捉え方もあるっていう考え方が自分の中でも芽生えてきました。そういうものを学生のうちから考えていないと、実際陸上選手っていうのは選手寿命もそんなに長くはないし、特に僕はあまり体格的にもあまり優れている方ではないので、そういった経験を早めに自分の中に吸収してもっと競技に生かしていかなければ難しい面があると思っていたので、そういう意味では学生のうちに経験できて良かったです。

――体格も異なる海外の選手と横並びで走った気分は?
 やはりトップの選手達と比べると、はっきりと言ってしまえば体格で負けている部分はあるかなと思ったんですけど、体格だけがすべてではないと思います。実際この体で10秒0台や10秒1を出しているのは事実ですし、ただ、絶対自分の良さっていうものをはっきりと自覚しながらやっていかなければ、ただただ圧倒されたり自分を見失ってどんどん落ちぶれていくだけだと思うんで、そういった意味でもやはり一回行って、ボッコボコにされたっていうのはいい経験になるんじゃないかなと思いますね。

――1走を務めた4×100mRでは4位入賞を果たしましたね。
 リレーまでは個人の100mが終わって五日間ほどあったんですけど、100mは初日だったということもあって、本当に雰囲気もまだよく分からないうちにすぐ試合でした。その後、二日目の100mの準決勝、決勝も観に行きましたし、200mも観に行って試合の雰囲気や感覚が慣れてくると自然と自分の走りも落ち着いてきた部分もありましたし、五日間で修正ポイントをコーチ陣とも話したりして色々やっていった結果走れそうな感触があって、その次の日の決勝も自分の中ではまとめられた走りだったと思うので、そういう走りが出来たことはやはり良かったんじゃないかなと思いますね。短い期間で修正が出来たことが、大きかったと思います。


 

7月に行われたユニバーシアードでは、
100mで3位入賞を果たした。

――大会自体を楽しむことは出来ましたか?
 リレーは予選から結構夜遅い時間での試合だったので観客の入りも良かったですし、そういった中で自分の中で冷静にそういう雰囲気を感じ取りながら走れたので、そういう面では大分楽しめたと思いますね。

――大勢の観客の中で走る気分は?
 ああいう環境で走ってしまったら、またああいう舞台で走りたいなっていう気持ちが強く出てくるし、またリレーだけじゃなくて個人でもいつか走ってやりたいと思います。そういった意味では、やはり何事も経験しなければ次が見えてこないので、すごくいい経験になったと思います。

――ベルリンでの生活はいかがでしたか?
 宿舎はホテルを完全に貸し切りにして、それが選手村みたいな感じになっていて他の国の選手達も泊まっていました。歩いたら近くにスーパーみたいなところもあったので、生活自体は快適と言えば快適でした。

――食事などは?
 ユニバー(ベオグラードで開催)の時は日本人からすれば苦しい食事もいくつかあったので、その時に比べればベルリンの食事は大分食べやすかったです。白米も置いてありましたし、パンとかハム、ヨーグルト、フルーツとかたくさんあってセルフでとれたので、自分で栄養面を考えながら食事はしてましたね。食べ物で体調が変わったり何かにあたったりすることもなかったので、ベルリンの食事は結構おいしかったです。

――海外での試合で心掛けていることは?
 体調を崩さないことが第一かなと思ってます。日本と違ってかなり乾燥する地域もありますし、ホテルに泊まるとクーラーの温度設定が16度とか日本では考えられない温度に設定してあったりする所とかもあるので、海外までいって体調を崩してしまうと自分もキツいですし、周りにも悪影響を与えてしまうので、ちょっとした違いで体調を崩したりしないようにだけは気をつけてますね。

 

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(TEXT、PHOTO=岡崎聡)

 

 


 
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