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 後半になっても崩れる事のない安定感のある走りで、仲間たちからあつい信頼を寄せられている尾ア貴宏選手(教3)。今シーズンは関東インカレのハーフマラソンで3位入賞、また駅伝シーズンは出雲、全日本ともにアンカーの最長区間を務め、ロードでの走りに磨きがかかり、早稲田の駅伝になくてはならない存在となっている。来季は駅伝主将も務める尾ア選手に、箱根へ向けてご自身の事、そしてチームの事を伺った。





 
尾ア貴宏選手プロフィール
早稲田大学教育学部3年
秋田中央高・秋田出身
1万メートル自己ベスト 29分29秒15
     

――今シーズンを振り返って、どのようなシーズンでしたか?
 2ヶ月に1回とかで故障してしまって練習を継続してできなかったので、思うようにレースへ出られなかったっていうのが、自分の中では反省点です。特に春先と夏合宿が終わってからからは状態があまり良くなく、少し足を痛めた状態でやっていたので、結構厳しかったです

――怪我が多い中でも、出場された丸亀ハーフ(2月)と関東インカレのハーフマラソン(5月)では結果を残されましたね。
 故障からの)回復は早い方だと言われますし、段階を追って、その試合に合うよう調整していたので、予定通りと言えば予定通りです。関カレに関しては、上の2人(山梨学院大・モグス選手、駒澤大・宇賀地選手)は格上の選手だったんですけど、それ以外の人には負けなかったのが自分の中では大きくて。箱根が終わって、自分の中で箱根でつけた自信が、そのまま丸亀と関カレでは結果に繋がったのかなと思います。

――お話に出てきましたが、初出場で1区を務めた昨年度の箱根駅伝の思い出を聞かせてください。
   本当に朝が早かったですね(笑)。大手町へ行くのは6時くらいだったと思うんですけど、朝は3時起きで…。1区と言われたのがチーム事情もいろいろあって大会の10日前くらいだったので、結構緊張してたんですけど、試合当日は朝早すぎてあまり頭も起きてなくて、何も考えずにスタートラインにつけたので逆に良かったです。僕の場合は考え始めると緊張してきちゃうので。レース展開は、スローペースだったので日ごろの練習より楽だったんですよ。他のハーフマラソンのレースの方がもっと速いペースで走っているので、「箱根駅伝ってこんなに楽でいいのかな」って感じた事を強烈に覚えてます(笑)。ラスト1キロのスプリント勝負だったので体に負担はかかってたんですけど、ずっしりくる疲労ではなかったです。

――区間賞も狙えるレースだったのでは…?
   20キロを通過してあと1キロっていう時もまだ余裕があったので、仕掛けられれば仕掛けたかったっていう気持ちがあって。そこでちょっと臆病になってしまった自分が後々は悔しかったです。けど1区ですし、チームの事を考えると少しでも離されないように、逆にギャンブルはしなくて良かったのかなとは思うんですけど。ちょっと心にちくっと残る部分はありました。


 

関東インカレハーフマラソンで3位となり、昨年の悔しい4位から成長。表彰台では満面の笑みを見せた。

――箱根で得た自信と少しの悔しさが、その後のレースに活きたんですね。
   そうですね、箱根以降は丸亀にしても関カレにしても、ラスト勝負ができるようになってきたと思います。スピードの切り替えっていうのも、また上手くなったかなと思いますし。

――同学年の選手について伺いたいのですが、今年の3年生はそれぞれ持ち味の違った個性豊かな学年ですね。
 本当に我が強い学年なんですけど(笑)、それはそれで良いんじゃないですかね。一緒にやれる所は一緒にやりますけど、無理にみんな一緒にやろうって事はしませんし。あまり他人に囚われず、自分のやるべき事をやってる学年なのかなと思います。同じ学年の人が頑張ってると自然と自分も頑張らないといけないなって気持ちにはなりますけど、「勝ってやろう」とかそういう強い想いがあるかって言われるとそうでもなくて。僕にとっては奮起する良いきっかけだと感じてます。まぁ他の人に聞いたらどういう答えが返ってくるかわからないですけど(笑)。

――来期は駅伝主将を務める事になりましたね。
 そうですね、前々から冗談めかしてじゃないですけど、「やれよ」っていう風に言われてて。どっちかっていうと僕らの学年はそういう事に関して消極的なので(笑)、なんか譲り合いみたいになったんですけど、その中でみんなが「尾崎で良いよ」って賛成してくれたので、不安もあったんですけど「やらなくちゃいけないな」って思って。

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(TEXT=神崎風子、PHOTO=五十嵐文子(willwinOG)、神崎風子)

 

 


 
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