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2009箱根駅伝特集

箱根駅伝直前! 尾崎貴宏選手インタビュー

前のページより)



 

苦しい表情になっても、最後まで粘り抜く走りが尾ア選手の持ち味。

――自分の走りの持ち味は、どのように自覚されてますか?
 後半が崩れないというか、後半の落ち込みが人より少ない所だと思ってます。「安定感」っていうのも代名詞的に使ってもらってますし(笑)。

――今年の出雲駅伝、全日本大学駅伝でアンカーの最長区間を走り、手ごたえはありましたか?
 出雲ではチームも良くなかったですし、自分の走りも良くなかったです。全日本に関しては、どれだけやれるのかわからなくて不安な状態で臨んだんですが、1年生や前を走った選手にすごい頑張ってもらったので、そのままの勢いや流れを受け継いで走る事ができました。ただ、出雲にしても全日本にしても、足が痛くなったりして練習から離脱しちゃったりしていたので、しっかりとした準備ができていなくて。それができていれば違った結果が生まれたのかなっていう風には思います。全日本なんかは(優勝が)見えてましたし。タイムを見れば自分のできる限りの走りはしたのかなと思うんですけど、やっぱり目の前に(優勝した駒澤大)がいたので、納得はできないというか。ああいう想いはあまりしたくないです。

――駒澤大にはどのような印象を持っていますか?
 精神的に強いというか、「追う走り」ができるのがすごいなって思います。30秒くらい離れちゃうと、なかなか1キロや2キロでは詰まらないじゃないですか。そうなると追いかける気持ちが弱くなってくるというか、精神的にきつくなってくるんです。あと、前の選手を見て目標にして走っていてもその目標に思ったより近づかないと、ショックというかダメージがきて、自分の走りが崩れてきちゃう時があるんです。だけど駒澤の選手はそういう場面にも強くて、しっかり目標を追ってこれるので、すごいなって感じます。早稲田だと竹澤(健介・スポ4)さんしかそういう走りはできないかなと思うので、たぶん先行逃げ切りの形がこのチームの出さなくちゃいけない所だと思います。

――その他に、出雲、全日本を走ってチームに足りないと感じる部分はありますか?
 全日本は1年生が良かったんですけど、やっぱりどうしても竹澤さんが中心で、流れを変えられる選手っていうのがあまりいないと思うので、出だしからミスなく走るのが重要なのかなと思って。昨年度も故障者は出ましたが、集中練習をしっかりやった選手が走った結果が2位だったので、まずは練習をしっかりやって、足りない所っていうのはどうしても出てきちゃうと思うので、そういう部分はチームの良い所で補っていければ良いのかなと思います。

 
 

1月3日の大手町、笑顔の尾ア選手に会える事を期待したい。

――では現在のチーム状況はいかがですか?(取材を行ったのは11月29日)
 現時点ではまずまずだと思うんですけど、まだ1ヶ月ありますし。昨年もここからいろいろと出てきてしまったので、まだ何が起こるかわからないというか…。けど集中練習をやっている人数は3年間で一番多いです。昨年まではエントリーの16人はだいたい固定されてたんですけど、今年は誰が入るかわからない状況で、それは良い事だと思います。この状況を良い結果に結びつけていけるようにしたいですね。

――尾アさんご自身のコンディションはいかがですか?
 全日本が終わってから2週間くらい休ませてもらって、それから1週間ジョグをして、来週くらいから集中練習合流って感じです。これまでちょっと故障が多かったので、この1ヶ月はそういう事のないように集中してやっていきたいです。現時点では徐々に上がってきてる状況なので、このまま流れを切らないようにって考えてます。

――箱根駅伝でのご自身の役割はどのように考えていますか?
 僕は特殊区間以外ならどこでもありえる存在だと思うので、与えられた区間で、往路なら流れを作る走りをしなくちゃいけないし、復路だったら展開によりますけどチームの順位を守るっていう走りが必要になってくると思います。やっぱり「安定感がある」って言われているので、そこだけは崩さないようにしていきたいと思います(笑)。

――往路と復路、希望はありますか?
  特にないですが、チームがベストコンディションだったらたぶん復路になる気がしてます。昨年度は往路経験させてもらってますし…(笑)。個人的に「この区間」っていうこだわりはないので、与えられた区間をしっかり走れるような状態にしたいです。

――チームの目標はどのように掲げていますか?
 昨年度の箱根が終わった時から「総合優勝」って監督からは言われてたんですけど、あんまり部員の中で実感がなくて、目標をしっかり持ててなかったと思うんです。けど出雲で負けて、逆に全日本で2番になれて、今まで以上にチームの中で「優勝したい」って思う人が増えてきて、「総合優勝」っていうのがチームの中で固まった目標になってきたと思います。

――では最後に、ご自身の箱根での目標を聞かせてください。
 やっぱりこのチームで優勝したいなって気持ちがありますし、今年度だめで来年度優勝できる保証はないので、今年度が勝負だと思って、その優勝に自分が貢献できるような走りがしたいなって思います。精一杯頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします!

  普段は所沢の合宿所から高田馬場の早稲田キャンパスへ通う尾ア選手。所沢キャンパスの選手が多い中「不利に感じたりはしない?」と伺うと、「逆に違った刺激が受けれてプラスに感じてます。」という答えが返ってきた。チームメイト、他大学、そして学生生活全てから前向きに刺激を受け、尾ア選手はこつこつと成長を続けている。 箱根駅伝では花の2区や山上り、山下りといったエース選手の走りが注目されがちだが、尾ア選手のような堅実な走りがあってこそ、エース達の走りがチームの中で活きてくる。新春の箱根路では、尾ア選手の努力の結晶がエンジのWをより一層輝かせる事だろう。

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(TEXT=神崎風子、PHOTO=五十嵐文子(willwinOG)、神崎風子)
 


 
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