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チームの中でも並々ならぬ思いを持って今大会に臨む選手の一人が高野寛基(スポ4)選手だ。 高野選手は、そのアップダウンを苦にしない『タフさ』と強靭な『スタミナ』から入学以来箱根での活躍を期待され、1年生の時からエントリーメンバーに名を連ねてきたが、これまで出場の機会が巡ってくることはなかった。迎えた今回の箱根が正真正銘のラストチャンス。取材時の自信に満ちた表情と言葉からは頼もしさと余裕すら感じた。入学以来思うように結果が出ずに味わい続けてきた悔しさ、 そしてこれまでの競技生活で培ってきた全てを最後の箱根路にぶつける。
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高野寛基選手プロフィール スポーツ科学部4年 長野・佐久長聖高校出身 自己記録 5000m:14分09秒63 10000m:29分44秒18 ハーフマラソン:63分25秒
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――現在、集中練習の辛い時期だと思いますが調子はいかがですか?(取材を行ったのは12月18日)
そうですね、確かにきついですけど、でも、一応1年の時からやっているのでだいぶ慣れてるなっていう感覚がありますね。1年の時はきつさを超えて死んでましたけど(笑)。2年の時はだいぶ絶好調で出来て、3年の時は風邪をひいて調子が悪かったんですけどそこそこ出来たので。今年は一回一回死ぬんだろうなっていうイメージでやっていると意外と思ったより余裕があったりするんで、良い感じで練習は出来ているなと思います。
――箱根では4年連続でのエントリーメンバー入りとなりましたが、今の気持ちは?
やっぱり4年で、いざ2週間後に競技生活最後のレースだという感じになると、やっぱり最後の最後は結果を出して終わりたいなっていう想いは強いです。
――本番に向けて、走る準備は万全ですか?
そうですね。だいぶ集中練習も良い感じで出来ていますし、夏合宿とかも継続して練習で来ていますし、秋シーズンもそこそこ良い感じで来ていますので、ここまでの流れは最高だと思ってます。
――夏合宿ではBチームで走り込んだそうですが。
Bに行ったのも、春先にとんでもなく悪い結果しか出なかったっていうのもあるんですけど、それまではAチームでどうしても「頑張らなきゃいけないな」とか、「結果を出さなきゃ」ってずっと思いながらやっていて、それが空回りして結局どんどんダメになっちゃったんですけど。そこをBチームに一回落ちて下の合宿に行くことで、変な結果に対する意識とか、出さなきゃ(下に)落ちるっていう意識がなくなって、ここから這い上がるだけだっていう風になったので、そういった意識を持って夏合宿は自分なりの走りをやろうっていう風にやってきたのが良かったのかなと思います。
――出雲、全日本では出番がありませんでしたが、その間箱根への準備は出来ましたか?
全日本も出られたら良かったんですけど、そこはチームの状況的に(出番が)回ってこなかったので、箱根一本に最後絞るしかないという感じで、途中で目標を切り替えて、気持ちを落ち着けて頑張れたと思います。
――箱根への想いは?
4年間エントリーをされていながら、一回も走ることが出来ていないっていうのが非常に悔しい部分というか、その中にも非常に調子が良くて「今回絶対走るだろう」と思って走れなかった時もありますし、今回はダメだっていう時もあったんですけど、そういったものも色々あるので。今まですごい悔しい思いをしてきた分、最後の大会では良い思いをして終わりたいなっていう思いが強いので、最後の箱根は有終の美を飾れたらなと思います。
――やはり、今回こそは「自分が走ってやるぞ」という思いは強いですか?
そうですね。「俺を使わなきゃ損するぜ」っていう位の気持ちでいきたいところですね(笑)。
そういう気持ちで練習をしてますし、今のところはそれぐらい言える程の出来だと思うので、絶対走る気でいます。
――高野選手は入学当初から箱根の山での活躍を期待されてきましたが、山への想いやこだわりは?
山を走れたらなっていう感じはあるんですけど、やっぱり山って経験が結構ものを言うじゃないですか。4年になると次の経験も残らないので、そういうことを考えると後輩に良い選手もいるので、もちろん山を走りたいんですけど、そういうことで後輩に譲ることになっても文句は言えないというか、それはそうと割り切っていくことはできるので。どこを走ると言われても走れるように常に練習の中で意識してやっているつもりなので、監督にどこでも使えると思える選手になれるように頑張りたいと思います。
――高野選手自身が考える自分の強みとは?
自分はほとんど故障しないので、練習を休むことなくずっと継続して出来ているので、そういった部分で『スタミナ面』は負けない自信はあります。箱根は20kmっていう長い距離なので、このスタミナを生かせばチームの中でも結構上の方で戦えるし、上の方の力を持っていけるんじゃないかなと思います。
――4年生の学年の雰囲気や調子はいかがですか?
箱根は最後の大会なので、4年一同、絶対に出るんだっていう気持ちを持っていて、それは最近の練習でも非常によく見られるというか、4年生が上位の方でズラッとゴールすることもありましたし、練習も積極的に引っ張ったりしてるので、4年生の想いは一つ「みんなで走ろうぜ」っていう感じです。可能性はみんなボーダーライン上でゾロゾロって感じなので、そこの争いを勝っていければ走れるはずなんで、ここから頑張っていくしかないって感じです。
――チームとしては三冠もかかっていて例年以上に注目を集めていますが、プレッシャーは?
プレッシャーは感じないことはないですけど、結局やることは優勝することに変わりはないんで、三冠がかかっているというのも結局最終的には箱根で優勝するかしないかだけなんで、箱根での優勝を目指して頑張ってやっていくだけです。
――最後に、箱根でのチーム、個人としての目標を聞かせてください。
チームはもちろん優勝ですね。個人では区間賞を取っていくことが一番ベストかなと。最低でも区間3位以内には入って、追う立場であれば前のチームとの差を少しでも縮めるような、先頭で来ていれば少しでも差を広げられるような走りをしたいと思います。
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