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  九鬼巧選手特別インタビュー、第3回目は、大学2年目のシーズンを振り返っていただきました。
今年、自身3年ぶりの自己ベストを更新し、一気に存在感を高めた九鬼選手。
飛躍の裏にはどのような努力があったのでしょうか?





 
九鬼巧選手プロフィール
  スポーツ科学部2年
  和歌山県・和歌山北高校出身
  自己記録  100m:10秒23
        200m:21秒21

――大学2年目のシーズンに向けて冬季練習等で工夫した点は?
 日本選手権リレーが終わってから一度休憩をはさんで、先生と冬季のお話をしている中に、「もっと身体を大きくしよう」っていう話が出て。ただ筋肉をつけるだけじゃなく、外国人選手みたいにお尻とか大きい部分の筋肉をもっと大きくしようって。
それで冬季にやり始めたのが機械体操だったんですよ。大学にも体操場があって、土井さん(=土井翔太・スポ4)とかの棒高跳チームやディーンさんが体操とか補強系をよくされているので、教えてもらって一緒にやらせてもらいました。

――そして迎えた2年生。当初の目標は何でしたか?
 2年目入った時は日本選手権の標準も切ってなかったので、まずはそこを切って、日本選手権に出ることでしたね。グランプリシリーズや織田記念陸上は標準を切ってなかったんですけど、たまたま切っている人が少なくて出場させてもらうことになったので、そこで日本選手権の標準をしっかり切って日本選手権に出られたらなっていう話をしていました。

――その頃の調子としては?
 そうですね…六大学が初戦にあったんですけど、自分の中では「良いのかな?悪いのかな?」って天秤にかけながら進んで行ったのと、高校2年生で出した自己ベストを更新できてなかったので、「今年もまた更新できないのかな」っていう思いもありつつ。でも前に進みたい思いもあって、両方持ちながらの不安な状態で六大学をスタートしました。

――ここまでのシーズン、九鬼選手をはじめ竹下選手(=竹下裕希・スポ2)など短距離ブロックの方々が好調なのが印象的でした。
 そうですね、本当にみんなタイムが上がってきて。その背景にはやっぱりディーンさんがいて。みんながディーンさんのことを思っている部分が大きかったんじゃないかなと思っています。「ディーンさんのようになりたい」とか、「頑張ってついていきたい」って思う部分がみんなの中で大きくて、部全体としてそういう雰囲気がありました。

――九鬼選手自身、4月下旬の織田記念では予選で高2ぶりの自己ベストを更新されました。記録を確認した時の率直な感想は?
 自分の走りができたなっていうのがありました。標準記録を切れていない僕が出させてもらうので、負けるのは当然で、2レーンの隅っこで走らせてもらうのでどうなるか分からない部分もあったんですけど、織田記念はタイムも出やすいので10秒45は切りたくて。そう思って走った中で2番になれたので、この3年間の想いが晴れた部分が大きかったですね。

――以前伺った際、10秒25という記録について、九鬼選手からは「運が良かった」というコメントが出てきました。やはり10秒2台というのは全く想定していなかったですか?
 全く想定していなかったですね。まずは45というのを目標に置いていたので、出ちゃったという感じが大きかったです。

――その1週間後のゴールデングランプリ川崎に出場された際、今後の目標として「オリンピックとは考えすぎずに」と仰っていましたが、今年の経験を来年へのステップにしたいという位置づけだったのでしょうか?
 それは確かですね。「来年のための今年」としていた部分が多くて、今年は経験の年にしようと。でもその中で走れてきている部分もあり、楽しみなところも多くて。これを来年に活かしたいなっていうのがありましたね。

――当初は10秒45を目標としていたと伺いましたが、結果的に今シーズンは4台を安定的に出せている印象がありました。感覚的に分かってきた部分も多いのではないですか?
 そうですね。今でもまだ走れなかったりする時もあるんですけど、タイムを測ってみると少し上がっていたりだとか、動きは違う部分も大きくて。高校の時とは本当に違う自分がいるんじゃないかなとは思います。

 

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(TEXT、PHOTO=矢野真由実)

 

 


 
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