今年就任5年目を迎えられた古賀聡監督。
創部90年を迎えたア式蹴球部の現在の様子からあるべき姿までを語っていただきました。
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古賀聡監督プロフィール
早稲田大学教育学部 平成4年卒
2008年-09年 鹿島アントラーズユース監督
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――リーグ前半戦を振り返っていただけますか
厳しい戦いの連続でした。勝ち切ることができなかったゲームが多かったように思います。
――3位という順位(第10節終了時点)について
本来であれば1位になっていなければならないのですが、現時点の実力からするとこの位置なのかなと思います。前期の最終節で首位の専修大学(勝ち点差2)と直接対決できるので、この試合は大きなチャンスだと考えています。
――現在のチームの様子はいかがですか
飛び抜けた個の能力を持った選手が多くいるわけではないのですが、そういった中で個の力が足りないという認識をチームの各人が持っているので、自分の力でゴールを守り切ったり、ゴールを決め切ってチームを勝利に導いたり、そういうことを目指して一人ひとりがもがきながら練習に励んでいる状況ですね。
――チームのコンディションはどうでしょう
状況が悪いことは決してありません。ただ先日行われたアミノバイタルカップにおきましては、起こるべくしてこういう結果(7位)になったという風には思っています。やはりメンタル面の弱さというのが浮き彫りになりましたし、昨年から経験を積んできている選手とそれ以外の選手との力の差も浮き彫りになったと感じています。
――チームの課題について
競争のできる環境がまだまだ足りないと思います。トレーニングの中で選手同士の競争意識が現状では足りないと感じています。
――監督が指導をする上で心掛けていることは何ですか
我々は「WASEDA THE 1ST」という誓いを掲げています。これは創部90年のア式蹴球部のモットーであり、部員としてのあるべき姿を表わしている言葉なので、これを目指して、ピッチ内の戦いはもちろんですが、ピッチ外での人としての振る舞いにも刺激を与えながら取り組んでいます。
――監督が大学4年間で選手に伝えたいことは何ですか
何か教えるというのはおこがましいのですが…
本当に、人としての立ち居振る舞いがそのままピッチの中にも表れてきますし、これからの人生のステージにも直結してくると思うので、普段の人としての行動を自分自身で律していってもらいたいと思っています。
――以前の取材で選手主体を大事にしているとおっしゃっていましたが
学生主体というのはア式の伝統です。今でこそ常勤のスタッフがいる状況ですが、少し
前ですと週末しか監督が来られなかったり、社会人の方が仕事の合間を縫って指導に当
たられていたこともありました。もちろん学生自身が一番勝ちたいでしょうし、成長し
たいでしょうから、それを誰かから言われるのではなくて、自分たち自身で成長できる
環境を作るということは、今も昔も変わってないですね。
――それでは選手のことについてお聞きしたいのですが、チームを引っ張る4年生はどのような学年ですか
よく言えば、まとまりがあり仲の良い学年だと思います。ただし悪く言えば、ぶつかり
合うことを苦手としている学年だとも言えますね。
――主将を務める近藤洋史戦手はどのような方ですか
学年を追うごとに、プレーヤーとしても人としても成長していると感じます。最上級生
になって、キャプテンとしてしっかりチームを背負えるようになりましたし、言葉や表
情の一つひとつに重みが加わりました。
――副将の松澤選手はどのような方ですか
昨年なかなか思うように自分の力を出し切れなかったのですが、今年に関しては自分のやるべきこと、自分自身の準備を見つめ直して、そこに集中して取り組んでいこうとしています。その結果、非常にパフォーマンスが上がってきており、前期の戦いの中でも、彼のゴールを守るという働きで勝ち点3を掴み取った試合や、劣勢な状況で引き分けに持ち込んだ試合がありました。そういった部分で昨年にはない大きな成長を感じています。
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