惜敗、しかし。
前半、5-12。
後半に入ってからは両チームのせめぎ合いが続く。どちらにもチャンスはありながら、あと一歩が出ない。早稲田のラインアウトを慶應がキッチリと読んでくる。早稲田は粘り強いディフェンスで慶應にトライを許さない。この次のトライ、それがこの試合のポイントになることは僕の目にも明らかだった。
しかし、無情にも後半の均衡をこじ開けたのは慶應・栗原の個人技だった。後半19分、5-17。ポイントとなるトライを先に取られてしまった。この時点で、早稲田の息の根は止まったかに見えた。
だが、その後のゴールキック。珍しいファインプレイが生まれた。LO脇が栗原のプレースキックに素晴らしいチャージを見せ、12点差をキープ。ツートライ、ツーゴール差を維持するとともに、赤黒のジャージに勢いが戻った。そう、その後数分、早稲田の攻撃は素晴らしいものだった。しかし、慶應は強かった。マイボールからのスクラムで反則、その後のHO中村のハイタックルによるシン・ビン、そして慶應3つ目のトライ。WTB横井が最後にトライを決めて意地を見せたものの、慶應に届くことはできなかった。
10-31。慶應、2年連続の対抗戦全勝優勝である。
12.4
打倒、明治。
21点という大きな差になったしまったが、早稲田はいい試合をした。慶應の31点は、今シーズン対抗戦最少得点。早稲田の粘り強いディフェンスは、何度も慶應のトライシーンを消し去っていった。いいプレイも随所にあった。LO脇のチャージもそうだし、CTB高野、WTB山下もいい突進を見せた。一年生FB大田尾も良かった。もちろん、トライを見せた西辻と横井も忘れてはならない。勝つことはできなかったが、早稲田は前年度大学選手権覇者、慶應にひけをとらない、堂々とした展開ラグビーを見せることができた。
早稲田は帝京に負けてから色々と言われ続けてきた。しかし、早慶戦までの短い期間の中で素晴らしい修正を見せた。今日の内容は来週の早明戦やその後の大学選手権をにらんでも、決して悲観すべきものではなかった。負けたのはほんのわずか、本当にほんのわずかの力の差。大学選手権で再びぶつかるときは、必ずやリベンジを果たしてくれるであろう。
12.4早明戦、「江原組」の活躍からまだ目を離してはいけない。
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