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    妹尾善久 (トライアスロンノースウエスト)
TEXT=神原一光
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# 有言実行の男、ワセダの「鉄人」

「競走部に入る」。トライアスロンで昨年、関東学生優勝・全日本学生準優勝の輝かしい実績を残した妹尾善久は、なんと入学直前までそう思い描いていた。中・高と専門は陸上の中距離。「そこそこ走れたので周りにも勧められた」。しかし、妹尾は“走るだけ”の生活には「正直、刺激がなくなっていた。」と言う。けれどせっかく続けてきたことを止めてしまうのももったいない。「走りながら他のこともできる種目はないか、それならトライアスロンしかない!。」高校時代、毎日40分かけて自転車通学していた妹尾にとって、トライアスロンは全くの未知の世界ではなかった。トライアスロンはスイム、バイク、ランの3種目のトータルで競われる。“鉄人(アイアンマン)”達のレースは、シドニー五輪で初めて正式種目になった。五輪も学生大会も同じ距離、それぞれスイム1.5キロ・バイク40キロ・ラン10キロ、通称「オリンピック・ディスタンス」と呼ばれている。これを2時間あまりでゴールするという。

妹尾善久(せのお・よしひさ)
1979年生まれ、A型、21歳、社会科学部4年 岡山県玉野光南高校卒。 168cm、57kg
トライアスロンサークル「ノースウエスト」所属。
好きな言葉は「初志貫徹」  好きなことは部屋の掃除。「きれい好きなんです(笑)」


「スイム、バイク、ランのどれもできないと勝負にならないけれど、それだけではダメ。何かひとつ武器がないと、勝つことはできない。」ランが得意な妹尾は、10キロを31分台後半で走る。スイム、バイクが終わったあとでのタイムなのだから、信じられない速さだ。「水泳部、自転車部、競走部。どれもメンバーにはなれる自信はあります。レギュラーにはなれないかも知れないけど(笑)。」

そんな妹尾は、得意のランを軸に1年からいきなり全日本学生選手権に出場、スイム、バイクと力をつけていった。スイムは高石記念プールで、バイクは家(北区)と学校の往復、ランは織田フィールド(代々木)で練習している。「初めは、泳いだ後、自転車乗ったり、走ったりなんてとてもじゃないけどできなくて。でも慣れですよ、慣れ(笑)。」

トライアスロンでは、次の種目に移る際どれだけ早く準備できるかも勝利のポイントだ。「テントの中に入る方向などで、ウェアやヘルメットの置き方も考えなくてはいけないし、ヘルメットのベルトの長さもかなり気にします」巣鴨のサイクルショップでオーダーしたバイクはなんと20万円もする。

「勝負の分かれ目は、最後のランの出だし。ここで気合いを入れます。」気合いや根性には使いどころがある。やぶから棒に「気合い、根性」ではない。それを妹尾はよく分かっている。

「いい意味で、自由な雰囲気が僕を鍛えてくれた。」妹尾は、サークルのよさをこう語る。「自己責任な世界で、ある意味体育会より厳しいかもしれない。きっちりやればサークルだってなんだって強いんです。」“自由”ほど人を試すものはない。

「鉄人」といえども、見た目にはあまり筋肉質には見えない妹尾。「僕、脱いだらすごいんです(笑)。」そのの脱ぎっぷりを、サークルの仲間に「有言実行の男」と尊敬される妹尾の学生最後の勇姿を、ぜひ一度、見に行きたくなる。

 


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