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ア式蹴球部、藤原監督インタビュー (1/2)
   TEXT=神原一光

「伝統の一戦、4年ぶりの勝利!」21世紀新生ワセダの第一歩が、第52回早慶サッカー定期戦によって踏み出された。最高の形で「名門復活」への序章が幕開けた、その監督に今年1月から就任した藤原義三さんに話を聞いた。

−就任の経緯をお聞かせ下さい。

去年までは外から部を見ていました。原(博実)コーチのもと下に落ちることはまず考えていなくて、一部昇格のことばかり考えていたんだよ。でも、原さんが、一年間通して面倒見れなかったことも影響して、都リーグに落ちちゃったと…。これはOBとしても非常にショックで「これは一大事や」と。「このままじゃイカン」できる限りの改革をしようということになって。そこで今までの指導形態じゃだめだと、ボランティアや名前だけの指導者は変えなければいけないと言うことになり、OB会が立ち上がったんだ。それで、新監督3、4人の候補の中から私が選ばれたと言うことですね。

−「母校早稲田の監督」とお声がかかった時、どう思われましたか。

やっぱり、腐っても鯛、腐ってもワセダ(苦笑)。今までのサッカー界を支えてきたワセダの功績と言うのは、計り知れないものがある。Jリーグでもサッカー協会でも早稲田のOBが活躍されていると言うこともあって、引き受けたということなんです。重責です。契約は一応2年でね、まあ1年で結果を求ようとすると昨年の二の舞いになるし、かといって僕が長い間やるのもね。まあ、とりあえずの話だけれどね。

−監督としてワセダに戻ってきた第一印象は。

僕らの頃と全く時代が違うから比べると言うことではないけれど、ワセダの「気質」というかね、まあ何か月か暮らしてきているけど、少し違うなあと。僕らの頃は、無名の選手が全国から集まって、サッカーにおいても私生活においても100%以上の物を出そうと、みんなで必死になっていた部分があって、それが早稲田のの全員サッカー、「和」をつくり出していたんだね。いま僕が求めたいのはこの部分だね。時代背景もあるのかも知れないけれど、今の早稲田は他大学と同じになっちゃってる、これが第一印象だったね。昔は、よそとは違う「組織力」と、建設的に自分達で考える「議論」があったね。いまは頭でっかちの部分がある。情報が多いから、それを整理しきれていないというかね。例えば、日本代表のトレーニングを自分達もやりたい、というのはさ、無理があるでしょう。まあ、頭がいいのは昔と同じで安心したけれどね(笑)

ーいまチームに必要なことは何ですか。

いまワセダにとって必要なことは「基本」だろうね。サッカーで一番肝心なことは、ボールに対しての角度やポジション取り、敵がボールを持っている時の自分のからだの向きなんだ。そんな中学生レベルのことを、彼らはほとんど分かっていなかった。「初めて聞きました」という選手が多くて正直驚いたよ。基礎なくして戦っていたら必ずボロがでる。1月から少しづつ成果は出てきてるけれど、ゴールデンエイジ(9歳から12歳)のうちに学ばなきゃいけないことをいまやっているから理解に時間がかかる。本当に基本を教える指導者がいなかったと言うことも責任のひとつだとは思うけれど。
もうひとつは、ワセダの「気質」を取り戻せるかどうかだろうね。昔は常に勝っていたから、その中で学んで行けたけれど、いまは勝ち方を知らないし、ワセダのプライドさえも知らないんだよ。これは、言葉だけではなかなか伝わらないものだから、勝って覚えるしかない。だから勝って自信を持たせるために、基本ベースの部分はしっかり積み上げていく必要があるんだよ。

 




 

 
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