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2002/12/11 [米式蹴球部]

アメリカンフットボール東西大学王座決定戦
「甲子園ボウル」早稲田vs立命館戦展望

立命オフェンスvs早稲田ディフェンス

 

写真:平田満氏

  早稲田にとっては失点を少なくすることが最重要だ。しかし、早稲田はパス守備に不安を残す。リーグ戦でも帝京ショットガンの前によもやの敗戦。クラッシュボウルの決勝でも専修WRに容易に走られた部分があった。立命の「リッツガン」は言われるまでもなくパス中心。最悪の組合わせてとも言えそうだ。立命WRは冷水、木下という看板2人に河瀬など豊富だ。一発でタッチダウンを奪われる可能性がある。早稲田のDB高尾、松丸の2人の最大限の奮起が求められるだろう。
 立命のQBはレギュラーの高田の肩の骨折が判明し、途中交代で出てくる可能性もあるが、スタートは椙田になることが濃厚だ。しかし、その椙田の活躍で関西学院戦の勝利を呼び込んだことを考えれば力が落ちたと判断してはいけない。そして、この椙田にいかにプレッシャーがかけられるかも課題だ。しかし、早稲田DL陣でも人間山脈と評される立命の大型OLと力で張り合うのはきつい。DL有泉を中心としたスピードを活かした守備でOLをかいくぐりたい。
 さらに、QB高田の負傷により、ランの脅威は多少は避けられるだろうが、立命RB主将磯谷、斎藤、野本らも油断できない。リッツガンはパスだけではないのだ。法政戦で強力ランを止めた主将関谷らLB勢にここは期待したい。
 比重としては当然パスディフェンスに重きがおかれる。調子に乗せないこと、ロースコアの勝負に持ち込むことが早稲田の勝利の必須要件だろう。

早稲田オフェンスvs立命ディフェンス

 

写真:平田満氏

 「波木頼り」なのは否めない。早稲田の採用する基本フォーメーションはRBが縦に2人並ぶI体系からオプション。QB波木が状況に合わせてランかパスかを選択する。そのため、波木の調子が重要な要素だ。「波木だと分かっていても止められない」と関東の監督が評すその才能。ここは波木に賭ける。
 そして、早稲田オフェンスの最大の見所がライン戦だ。C村井を中心としたOLは関東一とも評される。クラッシュボウル決勝の専修戦ではラインで圧倒し攻撃のリズムを作った。しかし、対峙する立命DLは関西リーグの強力OLをことごとく打ち破ってきていたのが事実だ。ここで互角以上に渡り合えるかが鍵となる。
 そして、QB波木のオプションキープ、RB神、長岡、泉のランアタックは試合が進むにつれ安定感を増してきた。クラッシュボウル決勝では441ヤード走ったアタック力は相手に脅威だろう。特に神のアタックには注目だ。しかし、立命DL&LBは立命DL&LBはリーグ7戦でランでの喪失距離はわずか208ヤード(うち関西学院戦で145yd)という強固なディフェンス力。長岡のキックオフリターンタッチダウンを除けば準決勝の法政の堅いディフェンスにラン攻撃が苦戦していたことを考えると、ラン同様にパス攻撃が重要視されるだろう。
 パスの担い手はWR吉田、斎藤、津田たち。パス攻撃はリーグ初戦でうまく機能したが、中盤戦になると調子を落とした。しかし、終盤から調子を上げてきた。回数が少ないので立命と単純な比較は出来ないが、時折繰り出されるQB波木からの好パスをWR勢がしっかりと取れるか。法政戦のラストで見せたような集中力が常時求められるだろう。一瞬で敵を切り裂くパスに活路を見いだしたい。相手DBも隙がないが、この局地戦で戦えるのなら十分勝機は見える。
 そして、おそらくこの日のために見たことのない秘策も用意しているだろう。それは蓋を開けるまで分からない。

最後に

 

 とにかく「立命は強い」が合言葉。社会人にも勝ったことがあるチームは学生史上最強との声もこれまた真だろう。しかし、法政戦を接戦に持ち込んで、不利の下馬評を覆した早稲田は意気が上がっている。早稲田がしっかりと実力を発揮できれば面白い勝負が展開されることになるだろう。会場は甲子園、寒い六甲おろしが吹き降ろす冬のスタジアムはまさに死闘。精神力・気力・知性・スタミナすべてが要求される大舞台は新しい歴史を刻むのに相応しい。
 残念ながら生中継ではないが、当日深夜24:30からテレビ中継も行われる。その目で米式蹴球部の勇姿を目に焼き付けて欲しい。 普段アメフトを目にしない人もこの機会に是非観戦してほしい。
 米式蹴球部の快進撃はどこまで続くか。次のことは考えていない。まずは目の前、格上「強敵」立命と戦うのみ。米式蹴球部の奮起に期待である。

次ページでは試合詳細、スタメン予想を載せています。是非こちらもご覧下さい。

 

 
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(TEXT=山田浩平、PHOTO=平田満氏、近藤優美子)
 


 
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