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2002/7/11 [ラグビー蹴球部]

さらば東伏見。「さよならイベント」で最後を惜しむ。

さよならゲームの様子
 
山下キャプテン

ポール

 2002年7月7日、早稲田の中で一つの歴史が動いた。日本ラグビー史に永遠に刻みこまれる1987年の雪の早明戦、1995年早明戦のノーサイド直前70メートル独走の奇跡の逆転トライ、記憶に新しいところでも昨年度の16-21と関東学院に惜敗した大学選手権決勝などの幾多もの名勝負を繰り広げ、故大西鉄之佑氏など多くの偉人達を輩出してきた早稲田大学ラグビー蹴球部がホームグラウンドを東伏見から上井草の新グラウンドに移す。この日、移転に伴い「さよならイベント」が催され、約14000人のラグビーファン、早稲田ファンと共に、ラグビー蹴球部の最後の東伏見グラウンドを惜しんだ。

 東伏見にホームグラウンドを構えたのは創部10年目の1928年から、74年の歴史がここ東伏見で培われた。冬の伝統の早明戦の前になると、直前練習を見に多くのファンが訪れる早稲田ラグビーの聖地であった。しかし、この聖地も隣接する石神井川の改修工事が行われるため閉鎖されることになった。新グラウンドはコート1.5面分の芝生が整備、寮も併設される。9月15日のオックスフォード大学との親善試合が柿落としとなる。

 この日行われた「さよならイベント」は東伏見のグラウンドでは、記念碑の除幕式に始まり、各年代によるOB対抗戦や観客を交えてのレクリエーションなどが行われ、サントリー東伏見アイスアリーナの早稲田ラグビー85年展ではトロフィーや数々の思い出の品の展示があり、来場者の興味を引いていた。また、各所では東伏見グラウンド特別記念グッズ(ビール・ジャージーなど)の販売も行われていた。そして、東伏見グランドさよならゲームとして企画された現役AチームとOB最強チームの対戦は、抜きつ抜かれつの展開ながら、終了間際に逆転トライを決めたOB最強チームが19-15で勝利した。両者の健闘に、そして74年の伝統に対して観衆から惜しみない拍手が送られた。その後、全員がグラウンドに入り、清宮監督と山下キャプテンからの話があった後、オークションの結果発表、全員での部歌「北風」の合唱、記念撮影などを行って解散した。解散後、選手が残りファンにサインをしていたり、写真撮影などを行っている姿が非常に印象的だった。

 1面しかない土のグラウンド、コート脇にはタックル練習用のクッションがある。今は青々としている周りの木々も冬は葉が落ちる。寒さで悴む手指を堪えながら部員は練習に励む。そんな風景ももうこの東伏見で見ることはない。

 選手も、関係者もファンも決してこの日を忘れない。「魂は継承する」と山下キャプテンは力強く言った。清宮監督も「これだけ多くの人の集まりは今シーズンの覇権の後押しになる」と言う。「このグラウンドへの恩返しは、何よりも優勝すること」と言う両者の想いは全ての人の想いだろう。13年ぶりの大学王者奪回への新しい船出。7月7日、「伝統」を積んで船は出航した。行き先は大学選手権優勝。新しい早稲田ラグビーに期待だ。

 

(TEXT=山田浩平、PHOTO=長友亮太・山田浩平)
 


 
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