| |
|
| |
|
| |
|
| |
|
| |
|
| |
|
| |
|
| |
2002年夏季オープン戦
8月25日（日）
早大菅平グラウンド（長野）
得点者（早大）山田・桑江・大江・大田尾
|
夏の菅平合宿も中盤に差し掛かり、20日の慶大戦35点差の勝利で息あがる早稲田。その慶大戦に続くAチームオープン戦2戦目の相手は王者関東学院大である。二ヶ月前は35-34の辛勝。試合にこそ勝ったが、スクラムでは完全に押し込まれ、幾度となくターンオーバーを奪われ、ラインアウトも不安定。勝負としては負けに等しい試合であった。今回こそは快勝劇を。上昇気流を描く早稲田に、長野まで詰めかけた大勢のファンの期待が集まった。
12時45分。大観衆に見守られてキックオフを迎える。『選手権決勝の前哨戦』と言われる試合とあって、オープン戦とはいえ両者のボルテージは序盤からヒートアップする。前半5分、関東学院LO北川俊が早稲田のLO桑江（人2）を殴打し桑江は一時退場。北川俊はシンビンを受ける。これで早稲田フィフティーンの魂に火がついたか、大学王者相手に猛アタックをかける。先制したのは早稲田。10分にゴール前ペナルティからすばやくリスタートをし、WTB山田（人3）がトライ。その後も早稲田は終始関東学院陣内でプレーを続け、25分には一時負傷退場をしていた桑江が気迫のトライ。今季プレースキッカーとして期待がかかるCTB安藤栄（人2）がゴールキックをきっちり決め12-0。35分には左右への見事な展開・連続攻撃から、最後はライン参加したPR大江（二文4）が中央へトライ。これには集まった早稲田ファンも大喜び。早稲田の快進撃に会場ではどよめきさえ生まれ、前半を19-0で終える。
後半が始まっても早稲田の猛攻は止まらない。5分、後半から出場したSH後藤（教2）のSHらしからぬ強烈なゲインから反則を誘い、最後はこの試合自分から仕掛けるプレーが多かったSO大田尾（人3）が飛び込み左隅にトライ。ゴールも決まり、なんと26-0。しかしここから関東学院も意地を見せ、10分と31分に2トライを決める。関東学院WTB三宅も「あと2本（2トライ）だ！」と声を出して意気込むが、この日の早稲田はディフェンスも冴え渡り、FL川上（教3）を中心に鋭いタックルで相手の出足を完全に止めた。そして終了のホイッスル。26-14。しかも前半だけを見れば関東学院を完封。快勝と呼ぶに値する試合であった。
早稲田はケガで欠場した主将CTB山下大悟（人4）、さらには前半20分にケガで退場した副将FL上村（人4）の大黒柱2人を欠いての試合であっただけに、この試合の価値は計り知れないほど大きい。スクラムでも、日本代表を輩出する学生最強のFW第一列を揃えた関東学院相手に、互角以上の戦いを見せてくれた。また、絶対的な司令塔である大田尾を中心に、HB、BK陣も鋭い動き。特にCTB内藤晴（人3）・FB内藤慎（人2）の内藤兄弟はトライこそなかったものの、華麗なステップで再三ゲインを切り、秋以降のレギュラー取りに向けて光るプレーを見せた。
一方の関東学院は、先に挙げた北川俊のラフプレーがすべてを決めてしまった感がある。この日の関東学院は、正月の選手権決勝や春季オープン戦で見せた気迫はなりを潜め、自慢のFW陣で縦にゲインを切れず、本来の姿ではなかったことは確かだ。唯一の強調材料としては、2トライを決めたルーキーのFB北川智の活躍だろうか。北川智はおもしろいようにフィールドを駆け回り、早稲田は再三崩される場面があった。WTB水野・三宅と形成するバックスリーは他チームにとって驚異となりうるに違いない。関東学院は前代未聞の『主将4人制』を発表したばかり（4人はPR立川・LO北川俊・FL赤井・WTB三宅）。その一角を担い日本代表でもある北川俊が冷静さを失ったことは、今後公式戦を戦っていく上で大きく反省すべき点であろう。
試合後、選手たちの笑顔が菅平の青空の下で輝いていた。二ヶ月前の試合後とは大違いの表情。この表情が納得のいく試合ができたことを一番裏付けている。菅平での夏合宿はまだまだ続く。次の目標は9月15日のオックスフォード大戦（上井草）。そして、対抗戦、大学選手権…。両チームは選手権決勝での再戦を誓い、再びそれぞれのキャンプ地へと戻った。
関連記事
 早大×関東学院大春季オープン戦レポート記事
関連URL
早大ラグビー蹴球部公式サイト
関東ラグビーフットボール協会公式サイト
|
