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早大
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78
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20-19
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74
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青学大
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20-29
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19-11
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19-15
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関東大学バスケットボール1部2部入替戦
早稲田大学×青山学院大学
10月31日(水)
代々木第二体育館
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「実は全然実感が湧かないんだよね」
入替戦の帰り道に声を掛けたとき、キャプテン藤野は枯れた声で意外な感想を教えてくれた。このチームなら1部に上がれる、彼らはそう信じてリーグ戦を戦ってきたはずだ。どうしても手に入れたかった1部昇格。心の底から求めていたものをいざ手にすると人は戸惑うものなのかもしれない。
1Q、スターティング5は昨日と同じ藤野、岩崎、村山、朝山、高木。藤野のフリースロー2本成功で幸先のいいスタートと思いきや序盤イージーミスが目立つ。5分をすぎたあたりからやっと朝山のエンジンがかかったか?という場面があり、高島の投入で流れを引き寄せたかのようにも見えたが残り8秒でフリースローを2本決められ、結局20-19の接戦で2Qへ。
2Q、早稲田は藤野のアシストで朝山、高木の3Pが決まり、村山のリバウンドからの攻撃が機能した場面も多かったが青学大#12を起点とした速攻、何より高確率のシュートに一時は10点差をつけられる。残り6秒で高木のミドルショットがあったものの40-48(20-29)でブザー。この時点で村山のファウル数は4つ。今日のキーマンか?と思える活躍なだけに気になるところで3Qへ。
3Q、互いに譲らず攻守がめまぐるしく変わる。しかしここに来て青学大のシュートミスが目立ちはじめ、対して早稲田は高木の3P、途中投入木村のシュートで52-51でついに逆転。ルーズボールを執念で追いかける藤野、朝山の活躍で一時は6点差に差を広げる。・・・が相手は昨年度1部王者。残り30秒をきったところで#16が3Pを二本連続して成功させ、59-59(19-11)のイーブンで最終Qに勝負をかけることとなった。
泣いても笑っても最後の4Q、入れては入れられ、追いついては追いつかれの必死の攻防で時計は進んでいく。決してシュートの確率がいいわけではないが、要所での流れは早稲田がキープ。残り4分30秒のところで1度目3Pをはずしたボールを再び手にし、2度目の3Pを確実にリングに収める高木。これで69-69の同点。残り3分で藤野が相手選手と交錯し倒れた場面では自然に藤野コールが起こり観客とベンチが一体となって声を限りに応援する。途中村山が5ファウルでファールアウト。村山の気迫のリバウンドで早稲田は何度ピンチを救われただろうか。彼のの活躍に心から拍手を送りつつ試合は残すところ1分30秒。相手のフリースローミスの連発にも助けられたがここからは朝山オンパレード。藤野から、山本から、ボールは朝山に集まり不調の心配も何のその。最後は藤野がフリースローを1本決め78-74(19-15)で入替戦2戦2勝をもぎとった。
まさに死闘。勝者と敗者は紙一重だったのかもしれない。ふと、9月に東農戦に負けた後の藤野のインタビューを思い出した。もしかしたら早稲田が勝利を手にしたのは最後までバスケットを楽しむ姿勢を忘れなかったからなのだろうか。試合後の選手達の顔は実に良い顔で清々しい充実感にあふれていた。
第2試合大東大対拓殖大、大東大の勝利を待って早稲田の1部昇格が決定。同じく1部昇格を決めた大東大の選手達は試合後のコート内で胴上げをし、はしゃいでいた。早稲田の選手達がコートで喜びを爆発させる姿を見たかったような気もする。しかし第2試合の行方を見守っていた早稲田の部員達は、勝利の瞬間それぞれに喜びを分かち合い、念願の1部昇格の実感を噛み締めていた。「疲れたぁー、飲むぞ!」そう去っていった藤野の言葉は長いリーグ戦を1部昇格のプレッシャーの中で戦い抜いてきた部員全員のほっとした心境を物語っていたように感じた。
8月31日からの長いリーグ戦、1部昇格という最高の結末を迎えたバスケットボール部。インカレでの活躍、そして1部でのさらなる躍進を期待したい。
関連URL
早大バスケットボール部公式サイト
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