−負けがもたらしたもの−
9月7日 対東京農業大戦 第1戦
92対85で早稲田は負けた。
勝ち星を計算していた相手であった分、リーグ戦1位通過には少し痛手だ。
藤野本人も言う。
「リーグ戦前からチームの調子はあまりよくなくてそのままリーグ戦を迎えてしまったというかんじですね。去年いい結果をのこせたということで周りの期待も大きかったし、俺ら自身も『勝たなければ』というプレッシャーがあって、それがチームに重い雰囲気をもたせてしまい、自分達のバスケができなくなってたんです。そして負けてしまった。これからこの一敗はいたいですね。」
「でも」
と私が話すのを遮って彼は続けた。
「でもこの一敗っていうのはすごいおおきな意味があって早稲田のバスケが復活したきっかけなんです。」
負けがもたらしたものは一体何なのだろう?
この負けてしまった試合を振り返って藤野が感じたことは『最近のバスケが楽しくない』ことだった。これは他の部員達も同じだった。
そこでいろいろ考えた末、藤野自身、またチーム全体が出した答えは原点に戻って『楽しいバスケをしよう』ということだった。
「それからですね、考え方の順番が変わってきてチームの状態もよくなってきたのは。いままではとにかく勝たなければいけない→そのために何をしなければいけないか→きつい練習>という順序だったのが、<試合でバスケを楽しみたい→そのために何をしなければいけないか→じゃつらい練習もがんばろう>というサイクルになったんです。で、バスケを楽しんでできれば自分達のバスケができるわけで、そうすると自然と『勝利』がついてくる!みたいな、ね。」
とまるで塾講師のような口調で力強く語ってくれた。
よくマンガやドラマの世界では「バスケを楽しもう」なんてせりふ出てくるけれど実際それを実行することは簡単ではない。試合中バスケを楽しめるということはそれだけの過程がなければ成しえないことだからだ。
そういえば「結果より過程が大事」これも藤野の口癖である。
9月8日 対東京農業大 第2戦
106対68 早稲田の勝ち
結果ではない過程だ。いい顔でバスケをしていた。時々笑顔もこぼれた。早稲田バスケの復活!「久しぶりにバスケしたいなぁ」私は彼らを見ていてそう思った。
リーグ戦第5週(9/28・29)慶応との対戦がまっている。今年の早慶戦で早稲田は勝っているもののその点差はわずか2点、ほぼ互角だ。慶応は少し前にはやった『リベンジ』をねらってくるにちがいない。しかし、ここでも彼らの、藤野の楽しそうにバスケットをする顔を、時に笑顔を見ることができればこの『リベンジ』は難しいだろう。
結果より過程が大事。(でも結果はどうでもいいわけじゃありません。by藤野)ここが勝負時。 ガンバレ早稲田!
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