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関東大学ラグビー対抗戦
早稲田大学vs明治大学
12月1日（日）国立霞ヶ丘競技場
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12月第1日曜日。伝統の早明戦がついにやってきた。これまで数多くの名勝負が生まれてきた定期戦。早明戦は前評判に関係なく接戦になると言われている。実際昨年も早稲田圧倒的優位の声の中、明治が実力以上の力を発揮し、最後の最後まで早稲田を苦しめた（ロスタイムに逆転し36-34）。今年はどんなドラマが生まれるのか。今年で78回を数える早明戦はその名に相応しい歴史に残る試合となった。
先週23日の早慶戦で絶対的な司令塔SO大田尾（人3）が故障。この早明戦における大きなポイント、それは「大田尾が抜けたポジションに誰が入るか」。清宮監督の出した答えは、それまでCTBとしてスタメンだった安藤（人2）をSOとして起用することだった。高校時代はSOとしてプレーをしていた安藤は、2年生となった今年CTBにコンバートされたばかり。3年生にしてチームの中心となった大田尾の欠場は痛いが、経験ある安藤だけに不安は払拭されるかに思われた。
14時、雨が降りしきる中、レフェリーの笛が鳴らされ試合が始まる。もともと立ち上がりの悪い早稲田であるが、それを差し引いても早稲田の調子が上がらない。雨の試合は苦手だと公言している早稲田。手元が滑りハンドリングエラー、チャンスを作ってもノックオンなど手痛いミスを連発する。また、懸案のSO安藤が機能する場面が生まれない。急造HB団では厳しいのか、SH田原（人4）とのコンビネーションが合わず、前半途中からは田原から出されたボールが安藤を飛ばして展開されるシーンが多くなる。
そんな中、先制したのは早稲田。前半10分、密集でNO8佐々木（人1）がキープしたボールを安藤に繋いで、最後はFB内藤慎平（人2）がステップを切り2人を交わして左隅にトライ。これで一気に早稲田ペースになるかと思われたが、それでも調子は上がらず、むしろ明治に攻め込まれ自陣でのプレーが次第に増えていく。スクラムでは明治が攻勢に出ると、FW陣が“前へ”の精神で押し込み早稲田は再三ピンチを迎える。しかし、明治もチャンスをなかなかモノにできない。象徴的なシーンは前半36分。明治は早稲田ゴール前でのマイボールラインアウトからHO山川がインゴールに入るも、早稲田の人数をかけた必死のディフェンスの前にボールをグランディングすることができなかった。結局前半は5-0と予想外のロースコア。激闘と呼ぶに値する攻防が続き、前半終了のホイッスルの際には観客からどよめきさえ生まれた。
後半に入っても前半の勢いそのままに、一心一体の攻防が続く。早稲田が快足BK陣の大きなゲインで再三チャンスを作れば、明治も自慢のFW陣で“前へ”押し続けるが、次第に早稲田が相手陣内でプレーする時間帯が多くなる。膠着状態が続く中、このムードを打開したのは一人の選手の好判断からだった。24分、相手ゴール前のラインアウトで、FL羽生（理工4）が機転を利かせ直接ボールを受け取り鋭くゲイン。そこでできた接点をきっかけに、最後はLO高森（教4）が飛び込んでトライ。続く33分には相手を揺さぶる鮮やかな左右の展開を見せ、“本日のキーマン”安藤がミスを帳消しにするトライを決める。明治ディフェンスの足が完全に止まった37分には、内藤慎が個人技で中央を突破しダメ押しのトライ。そしてノーサイド。結果的には早稲田が明治に快勝する形となり、2年連続15回目の対抗戦優勝を全勝で飾った。
早稲田が早明戦で明治を完封したのは大正15年以来の快挙。早明戦がシャットアウトゲームになったのも78回の歴史のうち4度目ということで、ゲーム内容同様、長い歴史に刻まれる試合になったことは間違いない。15日からはいよいよ大学選手権が始まる。初戦は関東リーグ戦5位の流通経済大学と対戦することが決まった。昨年、決勝で関東学院に苦汁をなめた早稲田だが、今年はこれまで学生相手に公式戦・練習試合通じて負けなし。王者の風格を持って選手権に臨むが、気持ちはあくまで「チャレンジャー（早稲田・山下主将）」。関東学院を倒すまでは絶対に油断できない試合が続く。ラグビーシーズンはまだまだ終わらない。今後、さらなる熱いゲームが繰り広げられることに期待大だ。
特集
ラグビー蹴球部特集「黄金期への序章〜The Prologue
to the Golden age〜」
関連URL
早大ラグビー蹴球部公式サイト
関東ラグビーフットボール協会
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