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早大 |
7 |
0-7 |
14 |
中大 |
0-0 |
0-7 |
7-0 |
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関東大学選手権(クラッシュボウル)準決勝
早稲田大学×中央大学
11月23日(火・祝) 駒沢陸上競技場
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2003年11月23日。まさかの敗戦からちょうど1年。再び日本一の座を目指し、クラッシュボウル(関東大学選手権)へと進出したビッグベアーズ。しかし、彼らの挑戦はまたしても昨年と同じ舞台、駒沢陸上競技場にて終わってしまった。
「おーし、いくぞ!」練習のときから気合十分。選手間の声の掛け合いもいつも以上に活発。これならいい雰囲気で試合に臨めるだろうなと感じられた。しかし、キックオフ直後から中央ディフェンスの圧力の前に、思うように攻撃を進めることが出来ない。攻撃の生命線である#28 RB新田潤(人4)のランはことごとく止められてしまい、苦し紛れにパスを出してもなかなか通らない。前半、早稲田がファーストダウン(以下FD)を奪えたのは数回。ほとんどの攻撃でFDを更新できず、パントで攻撃を終了していた。他方、ディフェンス陣は第1Q8分過ぎに中央#15 QB井ヶ田から#7 WR永田にパスを通され先制のタッチダウン(以下TD)を奪われた(0-7)が、それ以外の場面では#3 LB柳生(政経4)を中心にきちっと守り、中央の攻撃を継続させない。お互いに追加点を奪えず、0-7のままでで前半を終える。
後半に入っても攻撃陣が攻めきれない状態は変わらない。敵陣まで攻め入っても、インターセプトされ攻撃権を譲ってしまう。早稲田が一向に流れを掴めないまま、第3Q7分にはセンターライン付近からの中央の攻撃で、QB井ヶ田からパスを受けた#3 RB宮幸がするするとディフェンスの選手の間をくぐり抜け、エンドゾーンまで走りきりTD。0-14とその差を広げられる。
そして迎えた最後の12分、第4Q。ここまでは終始中央ペースで試合が進んでいったが、勝利を目前に中大に油断が生まれたのか、このクオーターは早稲田が試合の主導権を握り始める。敵陣深くのシリーズでFDを更新させず、パントで攻撃を終了させる。その次のシリーズ、敵陣20ydからの攻撃で、#5 QB新田洋(スポ2)からエンドゾーンにいた#88 TE尾崎(政経3)にパスが通り、TD。トライフォーポイントのキックも成功させ、7-14と迫る。残り10分。十分に逆転可能である時間、キックオフ後の中央の攻撃でFDを許さず、再び早稲田が攻撃権を奪う。反則やパスプレーでFDを更新していき、敵陣13ydの地点まで攻め込む。
ところが、ここでTE尾崎が2度のフォルススタートの反則(注1)を取られてしまい、敵陣23ydまで罰退してしまう。そこからの最初のダウン。QB新田から尾崎に投じたパスをインターセプトされてしまい、中央に攻撃権が移る。残り4分半。早稲田に傾いていた流れは止まったかに思えた。だが、両チームが1度ずつシリーズを経た後の中央の攻撃で、#5
RB成沢がボールをファンブルし、こぼれた球を早稲田がキープ。残り23秒、エンドゾーンまで42ydの地点で早稲田の攻撃となる。QB新田洋からWR吉田(人4)へのパスが通り、敵陣28ydまで攻める。残り10秒。次のプレーは失敗に終わり、時計は進んで残り3秒。最後の攻撃、QB新田洋が投じたボールをTE尾崎がキャッチできず、試合は終わったかに見えた。
しかし、この最後のプレーのさなか、中央にパス・インターフェアランスの反則(注2)があり、敵陣13yd地点でもうワンプレー行われることとなった。残り時間を表す時計の表示は消え、正真正銘最後のプレー。ここでタッチダウンを奪えば、同点に追いつくかもしれない大切なワンプレー。エンドゾーン内でフリーだった#84
WR若林(法4)に通った、かに見えた。しかし、ボールはWR若林の手に収まらず、地面へと落ちた。タッチダウンならず。7-14で試合終了。ビッグベアーズの2004年シーズンが終わった瞬間であった。
2年連続となるクラッシュボウル準決勝での敗退。まさかここで敗れるとは、選手の誰もが想像していなかったであろう。試合後のミーティングでは涙を流す選手、スタッフの姿があった。しかし、今年主将を務めた#77
C村井選手(人4)は涙を流さず、はっきりとした口調でこう語った。「これが終わりではなくて、これが始まりだから」そして、こう続けた。「ただ、俺は悔しいけれど…」。4年間必死にプレーし続けて、1年間チームを引っ張り続けて、最後に残ったのは「悔しさ」という感情。この悔しさがどんな悔しさか、本当の所は知り得ない。たが、この感情が村井選手をより大きな選手へと成長させる力になることに期待したい。そして、この敗戦がビッグベアーズより強い集団へと進化させるきっかけにしてもらいたい。
(注1)フォルススタート…攻撃側がボールをQBに渡す前に、攻撃側の選手が動いてしまうこと。5ヤードの罰退となる。
(注2)パス・インターフェアランス…空中にあるボールをキャッチしようとしている選手を妨害してしまうこと。15ヤードの罰退となる。
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