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2005/7/10 [ア式蹴球部]

長居スタジアムで行われた総理大臣杯決勝は、2-3で関西大に破れ、早大は惜しくも準優勝に終わった。

 
 
 
 
 
 
 
早大
2
0-2
3
関西大
2-1

第29回総理大臣杯決勝
早稲田大学×関西大学
7月10日(日)
長居スタジアム

得点者(早大) 松橋、兵藤

 夏の大学日本一を決める総理大臣杯の決勝戦が大阪の長居スタジアムで行われた。準々決勝で大学最強の駒澤大を逆転勝利で下すなど、予選からここまで関東一部リーグの強豪校を次々と撃破し、決勝のピッチまで辿り着いた早大。ついに悲願のタイトルまであと一勝というところまで来た。そしてこの決勝戦の相手は関西一部リーグに所属し、10度目の出場で初の優勝を狙う地元の関西大である。

 早大のシステムは従来どおりの3−5−2。層が厚く大榎監督(S63教卒)も起用に悩んだであろうFWには、高橋周大(人4)と山本(スポ2)の2人が入った。スタンドでは関大のブラスバンドを中心に迫力ある応援が行われ、関東代表の早大にとってはまさにアウエーともいえる独特の雰囲気の中でホイッスルが鳴り、試合が始まった。

 試合開始早々の4分、関大が右サイドから中央に上げたボールを頭であわせて先制点を上げる。だが早大も、11分にロングフィードから高橋が相手GKと1対1になったのをはじめ、28分、その高橋が右から中央へドリブル突破をし、シュートを放つなど見せ場を作る。30分には高橋に代わり起点役を期待されて渡邊(スポ1)が投入され、32分には混戦の中、相手GKがはじいたボールを押し込もうとするも関大の堅守に阻まれ得点には至らず。逆にカウンターをくらい、ヒヤリとする場面が訪れるがGK時久(スポ3)のスーパーセーブで難を逃れる。その後も鈴木(スポ2)がFKで直接狙うなどするが、ロスタイム、関大にCKを頭であわせられて0−2で前半が終了した。

 だが2点差がついても、ここでズルズルといかないのが今の早大の強さである。後半から山本に代わり松橋(スポ3)が投入され、51分、右サイドの渡邊からペナルティエリアの右側にいた松橋にボールが渡り、そのまま松橋が決めて1点を返す。途中交代で入ったFW2人がすぐに結果を出し、早めに動いた大榎監督の采配が見事に的中した。56分には玉田(商4)に代わり中島(社2)が投入され、63分、その中島が左サイドから中央へ折り返し、渡邊が粘ってキープし兵藤(スポ2)へパス、それを兵藤が決めてついに同点に追いついた。

 しかし関大もまた初優勝への執念を見せる。70分にミドルシュートを放つなど何度か早大ゴールを脅かして、71分にCKからオウンゴールを誘い、再度リードを奪う。その後早大は必死の反撃を見せるものの、CKからの決定的場面で鈴木のヘッドがバーにはじかれるなどの不運もあり、時間が無情に過ぎる中で同点に追いつくことができない。逆に76分、松橋がシュミレーションで退場処分を受け、数的不利の中で関大にゴールを何度か脅かされた。そして最後まで早大は勝利への執念を見せたものの、あと1点が遠くそのまま2−3で敗れた。

 試合後、初優勝の歓喜に沸く関大イレブンとは対照的に、早大イレブンの表情は本当に悔しそうであった。それだけ全国タイトルへの思いが強かったのであろう。しかし予選の学芸大戦での大勝や、準々決勝での駒大との死闘など今大会は非常に見所が多く、スーパールーキー渡邊千真の台頭など明るい話題もあった。準優勝に終わったものの、総理大臣杯を通じて早大ア式はさらに一回り成長したに違いない。

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(TEXT、PHOTO=中島和朗)
 


 
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