10月20日、たつのこフィールドにて第17節早稲田大学VS東京学芸大学の試合が行われた。前節の中央大学戦に1−4で敗れている早稲田は現在二連敗中で勝点28の4位、首位の法政大学との勝点差は4に開いている。対する学芸大は勝点25の6位、前節の筑波大戦では逆転勝利を収めている。 ふと脳裏によぎるは前期悪夢の三連敗。しかしすぐに思い直す。連敗後の前期・駒澤大学戦、土俵際に立たされた早稲田には踏ん張れるだけの力があった。今節も必ずや優勝戦線に踏みとどまってくれるはずだと。
スタメンには長らくピッチから遠ざかっていた伊藤拓真(スポ3)や、後期になって途中出場で色あせることの無い存在感を放ってきた島村毅(スポ4)らが名を連ねた。立ち上がり、島村・渡邉千真(スポ3)の両FWが連続してシュートを放つと、5分には鈴木修人(スポ4)がFKを直接狙う。さらに15分に渡邉のシュートからコーナーキックを得ると、最後は横山知伸(スポ4)がヘッドで合わせて学芸大ゴールを脅かし、その後もFKからのボールを最後は兵藤慎剛(スポ4)がヘッドで合わせてゴールを狙っていく。そして迎えた23分、守備の堅さに定評のある学芸大のゴールを早稲田のエースが打ち破る。渡邉が放ったシュートは弧を描きながらゴールネットを揺らし、ここ二試合手にすることの出来なかった先制点を奪った。その後学芸大もFKから攻勢を仕掛けるが、前半は1−0のまま試合を折り返す。
この日の早稲田はロングボールを主体としたサッカーで試合を進めていく。後半10分が経過したところで兵藤から鈴木へとつなぐと、鈴木が前線へロングパス、これに島村が反応していたが相手キーパーの果敢な飛び出しでゴールまでは至らず。64分には早稲田のFKをクリアした学芸大にカウンターを仕掛けられるも、きっちりと守備への切り替えをみせ、危険を防いだ。そんな早稲田に最大のピンチが訪れたのは73分。ドリブル突破で早稲田陣内を攻め込む学芸大・栗原に対し伊藤が飛び出すもかわされ、そのまま守護神のいないゴールへと迫られる。あわや失点かという状況に陥ったチームを救ったのは守備の要・金守貴紀(社4)。伊藤に代わってゴール前まで戻っていた金守による見事なカバーでピンチを切り抜けてみせた。さらに金守はこの10分後にも学芸大・高野のドリブル突破からのチャンスをしっかりと防ぐなど、この試合の殊勲賞といえる働きをみせていた。このままスコアが動くことなく試合終了かと思われたが、最後に再び魅せてくれたのは先制点を挙げた渡邉。終了間際の後半44分に相手キーパーのクリアミスからコーナーキックを得ると、兵藤の蹴ったボールに渡邉が合わせて2−0。待望の追加点は勝利を決定づけた。
自分達らしいサッカーをして、尚且つしっかり勝てることが一番なのかもしれない。観る者もそれを求めがちだ。しかし、対戦相手やチームの置かれている状況によって、戦い方に変化を加えることは至極当然なこと。早稲田に必要だったのは確実な勝利であり、勝点3である。今節の試合、確かに早稲田のパスサッカーは普段より身を潜めていたかもしれない。しかしそれ以上に、選手全員が「負けられない」という気持ちのこもったプレーで勝負に挑み、しっかりと勝利を掴んだことに意味がある。結果、ここ二試合多かった失点を、相手チームのシュート数わずか1での完封という形で乗り越えてもみせた。厳しい状況を打開した後には必ず成長を遂げているチームだからこそ、“まだまだやれる、もっともっと強くなれる。”そう感じずにはいられない試合であった。
次節は10月28日、西が丘にて14時10分から青山学院大学との対戦が控えている。残り5試合、まだまだ厳しい戦いは続くが、RETADORというスローガンを胸に、一試合一試合を新たな気持ちで迎えていってほしい。
≪試合後の選手コメント≫
関連URL
早大ア式蹴球部公式サイト
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