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北京五輪直前

競走部 竹澤健介選手インタビュー

前のページより)



 

 

一見正反対のタイプだが、渡辺監督との師弟関係は相性抜群。

――接触事故があったというお話もお聞きしましたが。
 まあ生きてると何かと…(苦笑)、いろいろあるので。その時股関節を打ってバランスが崩れたので、その後膝にきちゃって。膝が痛かった時はどうしても精神的にきつかったですね。なんかもうこれは、神様にこう仕組まれてるのかなとか、そういう感じに思って。

――現在、足の状態はいかがですか?
 どうしても歪みはくるので、状態的に本当に絶好調ではないですけど、あと1ヵ月半しかありませんし、その中で最善を尽くしてやるっていうのが大事だと思います。(北京五輪では)10000mにも出場するので、もう一回作り直してしっかりと練習をしていこうと。

――卒業後も渡辺監督の下で走る事が決まったそうですが、竹澤さんにとって渡辺監督の存在とは?
 そうですね…指示がないので自分で考える事ができるし、自由にさせてもらっていて。ただ最終的には何かあったらかばってくれるので、すごく感謝しているし、信頼しています。

 

壮行会で、「好きな食べ物は?」との質問には「焼肉」と答えていた。

――渡辺監督は、いつも前向きで竹澤さんに自信を持っている印象を受けます。
 明らかにどうにもならない時にもそういう感じなので、(自分が)何とかしなきゃなって気持ちになりますね。もう監督は…とりあえずすごいですからね(笑)。自分は根拠を作り上げていって走れる状態を作りたいと思ってる方なんですが、監督は基本的に何やっても根拠がないんで。けど監督に「大丈夫だよ」って言われたら何とかなっちゃうのかなって気になる、そういう所があるので、自分にとっては「無理だ、無理だ。」って言われるよりも精神的に楽ですし、合ってるのかなと思います。

――今回の故障で走れない期間も、「大丈夫」って言われ続けてたんですか?
 「(日本選手権の)2ヶ月前にポイント練習始めれば楽勝だ。」って言われてたんですけど(笑)、2ヶ月前に練習始めた後にもう一回故障して、それでも監督は「大丈夫だ」って言うから、「前に言ってた事と違うよ(笑)。」と思って。けど何でかはわからないですけど、監督は自信持ってました。

――結果、その通りになっちゃいましたね。
 監督がすごいんでしょうね(笑)

――では、オリンピックについてお聞きします。オリンピックに出たいという意識はいつ頃から?
 昔はもう夢舞台というか、僕が出るとかそういう風に考えた事なかったので、自分とは別の世界の物っていう風に捉えてたんですけど。大学に入って現実味を帯びてきてから、本気で意識するようになりましたね。

――昨年の世界選手権の経験も、オリンピックに対する意識を変えるものだったのではないですか?
 そうですね、昨年出ていなかったら今年も代表にも選ばれていないと思うので。海外遠征に行っても、自分(のレベル)に合ったレースにしか出れず、ヨーロッパとかでもそういうレースを繰り返してきたんですけど、世界陸上に出た事によってベケレ選手とも一緒に走って、本当の強さや速さを目の当たりにできたというのは、自分にとってプラスになったと思います。それまではどうしても(世界の強さを)意識しきれない部分があって、そういうのを知ってレースに臨むのと知らずに臨むのとでは精神的にも違ってくるので、北京に行っても(世界選手権の経験は)生きてくると思います。

――最後に目標を聞かせてください。
 精一杯やったなと思って終われればいいかなと思います。順位ももちろん上位を目指しますけど、なるようにしかならないので。意識しすぎてどうこうならないように、しっかりと自分の丈に合ったというか、自分のものさしに合った指標で、全力を尽くせれば良いと思ってます。


  竹澤選手が北京の舞台に立つ日まで、残り1ヶ月をきった7月22日、早稲田キャンパスで北京オリンピック出場学生壮行会が行われた。集まった学生から「北京五輪への意気込みは?」という質問をうけ、「モスクワ五輪に出られなかった瀬古先輩、アトランタ五輪に出られなかった渡辺先輩の分まで頑張ってきます。日本の代表として、早稲田の代表として、早稲田の名に恥じない走りをしたいです!」と、かつて自分と同時期に日本代表に選ばれながらスタートラインに立つ事のできなかった 恩師の想い、また同世代の仲間達の期待を背負い北京の地へ向かう決意を語った。どうかその多くの人々の想いを、プレッシャーではなく追い風に変えて―北京オリンピックが竹澤選手にとって実りある成長の場となる事を願っている。

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関連URL
早稲田大学競走部公式サイト

(TEXT=神崎風子 、PHOTO=岡崎聡、田辺里奈、EDIT=池田恩
 


 
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