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日本選手権では優勝を決めて世界選手権内定を手中に収めたいところだ。
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最終日注目の一戦と言えば400mHだ。今回は決勝に残った8人の中で世界陸上A標準を突破している野澤啓佑(スポ4)、去年の覇者中大の舘野哲也、そして予選・準決勝ともにそれを上回る永野佑一(スポ3)の3人の争いかと見られた。結果は50秒29で野澤に軍配が上がった。
「3人の勝負になるんじゃないかと考えていた」と今日の野澤もスタート前から冷静にレースを見つめていた。それを象徴するかのように前半から自分のペースでリズムに乗り、きれいなハードリングを見せる。周りも決勝ともなるとレベルが高く、みな同じタイミング、展開でハードルを越えていく。これが続くのかと思われた矢先だった。200mを越えると徐々に力の差が現れはじめる。周りが失速していく中で野澤が抜きんでるのだ。舘野、永野らが相次いでリズムを崩していくところで野澤はそのままのリズムを維持し、8台目には単独トップに躍り出る。「あんまり周りは意識せず、自分の中で8台目以降どう走れるのかというイメージを持った」ことが野澤の貫録といったところだろう。そのまま後続の追い上げを許さずに1着でフィニッシュ。まさに早稲田のエースにふさわしい走りだった。永野は後半流れに乗れず、10台目からゴールラインにかけてかわされ、4位50秒99で惜しくも表彰台を逃した。
今シーズン序盤はけがの影響もあり、「冬季はあんまり練習が積めていないので各試合を練習みたいな形でやってきた」野澤。スタートが出遅れただけに最終学年で後輩を引っ張るがゆえの関カレに対するプレッシャーは計り知れなかったに違いない。しかし、やはり「エンジの力」は大きいようだ。「しっかり優勝してチームに貢献できたことが一番うれしい」という言葉がそれを物語っている。2週間後には日本選手権が控えており、野澤にとって気が抜けない状況が続く。次もまずは決勝に残ること、それからどう勝負するのかが次なる高み世界陸上につながってくるのだろう。「今回のレースで課題がいろいろ見つかっているのでそこを2週間でしっかり修正して」いくことがハイレベルな日本最高峰の大会に臨むうえでは必要不可欠になってくる。これからも頼れるチームとしての野澤はもちろん、個人としての野澤にも期待だ。
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