前回(4月号)では飛び込み選手、アスリートとしての大槻枝美選手にスポットを当てた。今回は、それとは対照的な一人の学生としての大槻枝美さんに迫ってみたいと思う。
−なぜ教育学部の中でもなぜ三教(教育学部教育学科教育学専修の略)を選ばれたのですか?
「まず第一に、この大学(早稲田)を選ぶときに、自己推薦でしか入れないと思ったんです。全然勉強していなかったんで。自己推薦を受けられるのは教育と人科(人間科学部)あたりかなと考えたんです。人科は所沢にあるので、家からも練習場所からも遠いんですよね。2時間ぐらいかかるんです。人科にすると練習ができなくなってしまうので、教育学部をメインで受けようと考えました。学科はいくつかあったのですが、一番普通かなと思って三教にしたんです。」
−クラスではどのような生活を送っていましたか?
「私、クラスに全然友達がいないんですよ(笑)。練習でクラス会に全然出ることができなくて。クラス会は夜なので練習と時間が重なってしまうんです。コーチも練習に響くから飲みを勧めないですし。サークルにも入れないですし、授業も練習を優先して行かなかったことも多いんです。だから、あまり知り合いがいないんですよね。水泳部の子がノートを回してくれたりはするのですが。頼りは水泳部の友達ぐらいですね。」
−1年生のころ授業にはどれくらい出席していましたか?
「80パーセントぐらいは出ていたと思います。いや6割ぐらいかな(笑)。頑張って試合や練習のないときには出られるようにしているんですが…。」
−去年3年生のときはフル単(登録した単位をすべて取得すること)だったと聞いたのですが…
「そうなんですよ(笑)。前期はほとんど学校に行ってなかったのに。3年のときの方が1・2年のときよりも行ってないんですよ。去年は世界水泳の練習で5月6月は福岡で練習をしていましたし、5月の前半は海外遠征していて実質ほとんど学校に行けなかったんです。試験ですら世界水泳本番を重なっているものもありましたからね。それでも、初めてフル単を取ることができました。」
−教育学部って必修科目が多いですよね。
「1年生で4つの必修のうち3つも取れなくて、2年生で取ろうと思ったら日教史(日本教育史)という授業をまた落としてしまったんです。三教は学年が上がるたびに必修が増えていくので、3年生のときには40単位中30単位も必修でしたよ(笑)。日教史は後期配当だったので、3年では全部授業に出て、試験のためかなり勉強しました。でも、試験問題には自分が勉強したところがほとんど出ていなくて…。そういうこともあったので、3年でフル単を取ったのが本当に嬉しかったです。」(次のページへ続く)
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