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「練成合宿」 TEXT=牧野佐千子

 我々「ワンゲル」の年間の合宿の中で、6月のジメジメした時期、それをわざわざ選んで行われる「練成合宿」というものがある。「鍛えて成長する」合宿。そのまま。実は、「何でそんなことすんの!?」という理不尽なニオイのする合宿。

自分の限界を超えること 

 それは、体力的な意味でも、精神的な意味でも。私は3年なので、これまで2回の「練成」を経験して様々な光景を目の当たりにした。疲労しすぎて痙攣を起こして動けなくなってしまった同期、帰りの林道で疲れ果ててアワを吹いて両側から先輩に肩を支えられ、引きずられながら歩く新人など。

 練成合宿の初日は、普段は部室で談笑していたはずの先輩がいきなり豹変し、後ろから怒声が飛び交い始めることになる。そこで新人はとんでもないところに来てしまったと悟り、その先の何日かの長い行程を案じることになる。(ムカシは竹の鞭を持って後ろから追い立てられていたとか・・・。今はさすがになくなった。)

でも新人、ここよく読みなさい!

 多くの新人にとっては初めてとなる、長期の山行(しかも練成)。この下山後に味わう安堵感と、ビールと、久々の風呂、「カツ丼とラーメン」は、それはもう、筆舌に尽くしがたい珠玉の幸福である。「うめぇよう」といって、泣きながら食らう同期もいたりして。

 練成合宿をこのような書き方をすると、このご時世ではあまり良く思われそうにないが、3年になった今にして思えば新人の練成は大変重要な経験であった。

 私は中・高吹奏楽部であり、これまでスポーツとは無縁だったが、大学に入った一年間の後半には、もう冬山に長期山行にいけるほどの体力、技術が身についていたのである。

 練成合宿のような多少ムリにでも底力を引っ張りあげる経験が後の活動の自由と自信を生むことになる。 

 今、練成合宿(先発隊)の真っ最中である。
 帰ってきた新人の成長が楽しみだ。

 

 


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