今回のスポーツ探訪は、男子バスケ部のもう一つの顔を追って都電荒川線鬼子母神駅近く
の雑司が谷体育館までやってきました。
6月の早慶戦をもって早大バスケ部を引退した麻生さん(人4)の呼びかけではじまった「早稲田クリニック」。男子バスケ部の有志が豊島区の小中学生にミニバスを教えているから見に来ませんか?そんなお誘いをいただいてお邪魔したものの、集まってきたのは主将の藤野さん(教4)はじめ早大バスケ部きってのそうそうたるメンバ―。普段は練習や試合で厳しい表情を見せる彼らが小中学生とどのように接してにどのように教えているのか?興味深々での見学となりました。
コーチの中心は早稲田が誇る2年生PG佐藤さん(社学2)。首から笛をぶらさげて、準備体操から彼らの指導は始まります。本当に基本的なことから熱心にそして丁寧に指導する「お兄さんたち」の言うことに子ども達も一生懸命耳を傾けます。簡単なことを確実にやるのは難しいことです。難しいことを正確且つ迅速にやるのも難しいことです。でも一生懸命練習すれば、きっとできるようになるはず。はじめは上手くできなかったことが、手取り足取り教えてもらっているうちに練習の最後にはできるようになって、子どもの顔がぱぁーっと笑顔に変わった瞬間、横にいる「お兄さんたち」の顔も最高の笑顔に変わっていました。スポーツの輪ってこういう風に広がっていくんだなぁと思ったりしました。
6月の早慶戦の時、子どもたちは記念会堂まで早稲田の応援に駆けつけていました。その時まで子どもたちにとって、選手はあくまでもいつもバスケを教えてくれて一緒にじゃれあってくれる「お兄さんたち」でしかありませんでした。でも、あの試合、満員の記念会堂の中での大逆転劇、スーパープレーの連続に子どもたちの選手に対する目は確かに変わったのだといいます。試合後には選手のサインを求めて列を作る子ども達の姿がありました。
「こんなにすごい人たちにバスケを教えてもらっているんだ」それは確実に子どもたちの自信になったのだそうです。バスケットへの憧れ、バスケットへの情熱、バスケットへの夢、子どもたちの無限の可能性は、そのままバスケットボール界の可能性へとつながっていくのではないかなと思います。そして同時に、子どもたちに教えるということは、選手たちにとって自分の根っこの部分を見直すきっかけにもなるのだと思います。バスケットを始めた頃の何をするにも新鮮で楽しかった頃の事を。
ミニバスを教える事で子ども達に夢を与えたい、そして地域に密着したバスケットの輪を広げバスケ界をもっと盛上げたい、という熱い想いを持った彼らの活動からは、単なる競技者に留まらない早大バスケ部のパワーというものを感じさせられました。
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