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Realvoice大槻枝美8月号 

2002/8/28更新  第5回

 8月9日〜11日にかけて富士で行なわれた日本選手権では、10m高飛び込みで個人2位、シンクロ優勝を獲得した大槻選手。大学生の多くが旅行にバイトに明け暮れる夏休み期間だが、彼女の夏はそんな”夏休み”とは無縁な、試合と調整の日々である。今回のインタビューは、そんな夏の数少ないオフの日を利用して、新宿のとあるカフェで行った。

(日本選手権は)もうちょっと、くらいの勢いですね、、、。
大槻枝美 

──まずは、日本選手権お疲れさまでした。率直な感想はどうでしたか?

「ん〜、もうちょっと、くらいの勢いですね、、、。満足はしてないですね。予選がダメだったから、、。今回は(アジア大会の)選考会ってこともあったので意識しちゃったのかも知れないです。予選までの練習で自分の種目を掴みきれてなくって、すごい不安でしょうがなくて、でも1試合終わってみたら、不安なんて言ってなれなくて、、、それで開き直れました。」

確かに、個人予選での彼女は素人の私の目から見ても精彩を欠いていた。点数が伸びず、時おり首を傾げ、予選終了後もコーチと入念に打ち合わせしている姿が見られた。優勝を目標にしていただけに、予選終了時点で7位は本人としてもかなり不本意であっただろう。しかし、それでも準決勝からは本来リズムを取り戻し、1位とわずか3.75点差の2位にまで立て直した。

魅せるスポーツゆえの採点方式とは、、、?

──決勝の飛び順が8人中2人目でしたが、それは影響ありましたか?(注:決勝は、決勝進出者のうち得点の低い人から順に、1種目づつローテーションで演技していく。)

「飛び順は後の方ほど有利なんですよ。一般的に同じ種目を同じように飛んだとすると、後に飛んだ方が点数が良くなる可能性が高いんです。同じ風に飛ぶと前の人以下の点は付けられない、みたいなとこがあるんですよ〜。そういう意味で、予選は決勝の得点には加算されないけど、とても重要なんです。」

 そういえば、フィギュア・スケートも最終組で演技することがメダルの必須条件と聞いたことがある。”魅せるスポーツ”ゆえの採点方式というのも興味深いところである。いずれにせよ、結局、個人優勝こそ逃したが個人2位、シンクロ優勝の成績でアジア大会(10月、釜山)への出場が決まった。一安心、といったところだろう。

アジア大会が終わるまでは1カ月半くらい家に帰れないんです

──最近の生活はどのような感じでしょうか?

「最近は、試合(注:9月上旬のインカレ)が近いので、1日1回の練習で、それほど大変ではないですね。でも、インカレ、アジア大会と続くので、旅行とか行ってる時間は全然ないですね。特に9月のインカレ前から10月のアジア大会が終わるまでは、1カ月半くらい家に帰れないことになるんです。ず〜っと遠征と合宿なんで、レポートとか卒論とか大変ですね、、、どうしましょう、ホントに(笑)。」


大槻枝美 

──ん〜、大変ですね(笑)。では、最後にそのインカレとアジア大会の目標をお願いします。

「インカレは優勝したいですね。美沙子(山下美沙子:教1)が板で私が高飛びでそれぞれ優勝だといいですね。アジア大会は、シンクロではメダルは獲れるとは言われているんですけど、問題は色ですね。もちろん金メダルが欲しいです。言うのは簡単なんでいくらでも言おうかと(笑)。」

 本来、インカレに出場できる人でもごく一部であるはずなのに、インタビューをしていくうちに、世界がとても近いもののような錯覚にとらわれてしまう。それは、彼女が”世界の表彰台”を確実に視野に入れているからなのだろう。「言うのは簡単なんで。」と笑いながらも、目標に向け自分を磨き続ける彼女の、今シーズンのさらなる成果に期待したい。

 



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