第54代活動方針に追われている。リーダーを任された秋合宿(10/31〜11/3 in飯豊山)は迫ってくる。三年の秋だし、『最新時事用語&問題』も読んでみたりしている。「めまぐるしい」こんな言葉がよく似合う状況なのに、彼女はニコニコ待ち合わせ場所に現れた。すごく何かを考えている感じがしたけれど、もう迷っている様子はなかった。あー、腹を据えたんだな、と思った。
54代目活動方針
「ここ数年高レベルの技術を要する活動をしてきていないことや、事故は絶対起こせないという前提はあるけれど、できるだけ部員の希望を汲み取って、個人の好きなことや得意なことを持ちよる楽しい合宿をしたいですね。」
――今年のワンゲル部が重視するものを具体的に教えてください。
「部を引っ張る立場上、できるだけいろんな人の希望を汲み取って、やりたいことをやる、行きたいところに行く、ってしたいですが、(事故の影響もあって)学校など上からSTOPがかかればNOと言わざるを得ないんです。その上で、@次代に活動の楽しさを伝えるためにも、リーダー層の人間が行きたいところに行くこと。A各合宿地の魅力を事前に研究すること。歴史、文化、季節の遊びなど。B隊員の趣味、興味をそれによって引き出すこと。が54代の特徴かなと思います。例えば、秋合宿には新人にきのこの研究や、方言・昔話の研究をやってもらいました。」
54代は、早大ワンゲル部という長い歴史からみたら、ある「一点」に過ぎない。たかが一点、されど一点。「今年は来年以降のための土台なのですか?」と少し意地悪に聞いてみると、「でも」と彼女は強い語調になった。
「土台を築く意味もあるけれど、私は54代目の色にこだわりをもちたいんです。」
理念の上にある具体的な形は何だろうか。
「八甲田で山スキーの醍醐味を味わい、中国四国を制覇し、未来の発展につなげる。」
実際の合宿を通して、理念を形にしていくのだ。54代活動方針は、近日中にweb公開される。
動き出した54代目
5秋合宿を経て、自分も部も変わったと感じている。「自分も主将のようなつもりでやっている」と語る彼女。「きゅっ」と引き締まった感じがするという後輩たち。どんな組織であれ、組織をリードすることは大変な労力だ。「もっと大学生活をenjoyするつもりだった」と言いながらも、人を動かすことにワクワクして、ワンゲル部を通して成長している自分を感じている。
ところで、たまたま見かけたワンゲルミーティング。そこには、他の誰よりもまっすぐな視線で相手を見つめ、考える牧野さんがいた。ふと、前回のインタビューでのやり取りを思い出した。
(三年が二人と少数で、活動に制限が出てくるだろうことを受けて)
――でも、やりたいことはやるんですよね?
「まあね。(笑)」
特に意気込んで何かを言うタイプの人ではないが、「まあね」という言葉に込められた彼女の覚悟と、あのまっすぐな視線は、これからのワンゲル部を強く、やさしく支えていくだろうと思わせてくれた。ピックアップでは、「大変だったけど楽しかった」と振り返る、リーダーを務めた秋合宿の報告をしてもらう。お楽しみに!
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