マスコミの冬季五輪が開催される年などの取材攻勢は凄いものがあるが、その一方でウィンタースポーツのシーズン外の選手達のすごしかたは一般にはあまり伝わらない。スピードスケートの選手である土井の一年はどのようなサイクルでまわっているのだろうか？

　「今はウエイト、ランニング、自転車を繰り返しています。夏場になると例年はカルガリーなど海外に合宿にいくのですが、今年はＳＡＲＳの影響などもありちょっとどうなるかわからないですね。そしてシーズンが始まると大会と合宿の毎日です。基本的に高校のときから1年中練習を欠かしたことはありませんでした。常に練習をしていないと落ち着かないですね。どれだけ練習したかがレース中の最後のひと蹴りにきますから。練習の積み重ねは自信にもなるし、練習は裏切らない。」と語る土井は、昨シーズン終了後初めて1ヶ月のオフをとったという。「リフレッシュしたかったし、昨年一年間をゆっくり振り返りたかったので3月に1ヶ月間のオフをとりました。練習をしていないと落ち着かないので、1か月何もしないという経験は初めてで正直怖かったんですが、普段会えない地元の友達と会って遊んだりすることで気分転換になりましたし、結果的に1年をじっくりと振り返ったことで今シーズンの自分につながると思う。昨年は辛い1年でしたが、そのぶん今年はいけるという自信があります。」

　土井の今年の目標はスピードスケートのＷ杯だという。自身が得意とし、五輪でも出場を狙っている1500ｍで好成績を残すことが、2006年の大学4年生で迎えるトリノへと繋がっていく。ソルトレーク五輪の代表を後一歩で逃し、「まだ足りないものがあった。」と語った土井。試行錯誤の1年から飛躍の1年へ。彼の進化の過程をこの1年追っていきたい。

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