RealVoice第2回は土井の練習の様子を見学するため東伏見スポーツホールを訪ねた。ラジカセからリップスライムなどの軽快な音楽が流れるトレーニングルームで、同じく早大スケート部に所属する松岡選手(教2)、石関選手(スポ1)とともに、最初に自転車を漕いでウォーミングアップをし、バーベルを持ち上げるウエイトを行った後、ジャンプへと移り、四股を踏むという流れで練習を行っていた。
練習を2時間半ほど見学させていただいた中で最も印象的だったのは、ジャンプという練習だ。この練習は最初縦にジャンプを繰り返し、間を置いてからスケーティングの姿勢で横へのジャンプを繰り返す。端から見るとウエイトが一番きつそうに見えるが、このジャンプが一番つらいと土井は言う。この練習がワンセット終了すると苦しさに顔がゆがみ、うめくような声を上げていた。心拍数が180〜190という肉体が耐えうる限界値まで横へのジャンプをし続けるからだ。練習はただやみくもにやれば効果が上がるわけではない。科学的な根拠をもとめて行うことで効果が得られるものだということを実感した。また最後に行った相撲の四股を踏む練習も興味深かった。ここまでつらい練習をこなしてきたにもかかわらず、三選手きれいに足が上がる。相撲界でも強い力士は四股の踏み方も非常にうまいというが、スピードスケートの選手たちの強い蹴りの秘密は四股という練習にもあるのではないかと思った。
冬がシーズンのスピードスケートはこの時期、どんな練習を行っているのか?私の好奇心で練習にお邪魔させてもらったが、スピードスケートの奥の深さに触れることができ、また人間の体の限界に挑戦し続けている土井の姿を見て、本当に人間の能力、限界ってすごいのだなということを感じた。
練習が一通り終了した後、インタビューを行った。(次のページへ)
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