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2003/11/7更新  

コラム「エンジの笑顔」

 御存じのとおり、われらが早稲田大学は前回のシード落ちの屈辱を跳ね返し、無事箱根駅伝本戦への出場を決めた。選手は、関係者は、そして早稲田ファンはこの結果をどう見るのだろうか。様々な意見、想いがあるだろうが、willwin編集部は一つの捉え方を提案してみたい。

予選会の模様
 

 近年、早稲田は箱根駅伝で苦戦している。今年1月の78回大会こそ総合3位に食い込んだものの、75回大会、77回大会、79回大会とシード権を逃し、特に昨年の79回大会は参加20チーム中15位という成績に甘んじた。今予選会も、関係者間の早稲田の下馬評は決していいとは言い難かった。
 そして予選会の結果は、関東インカレの好成績による、減算タイム3分24秒を加えての7位通過。走り終えた選手の表情は一様に厳しく、予選突破の喜びを笑顔で表す部員などいなかった。

 名門復活が至上命題とされ、本戦での優勝争いをも期待される早稲田にとって、確かに満足のいく結果ではなかっただろう。実際に、精彩を欠いた選手もいた。一昨年までなら”予選落ち”である7位通過に、早くも本戦でのシード権獲得を危ぶむ声が聞こえてきてもおかしくない。とても、予選突破を素直に喜ぶことなどできないかもしれない。

 
しかし、実はこの予選突破を笑顔で喜ぶことこそが、本戦での歓喜を生む必須条件なのではないだろうか。

 現代スポーツにおいて、メンタル面がその勝敗を分けることは極めて多い。自分達は強い、自分達はやれる、というポジティブな気持ちこそがベストパフォーマンスを生むのは、スポーツ科学も証明するところだ。スポーツ科学部の在籍者も多い競走部員にとっては常識中の常識であろう。

 しかし、残念ながら、”歴史と伝統のある”早稲田の名を意識せざるを得ない部になればなるほど、このポジティブ・シンキングは我々の想像以上に難しくなる。そして、流れが良くない時ほど、”名門”早稲田の名は強烈な重しとなって、ネガティブな思考を助長させる。かくして早稲田最大の敵である、内なる敵”デフレスパイラル”が出来上がっていく――。

 


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(TEXT=OB寄稿、PHOTO=近藤優美子)

   
 


 
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