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2003/11/7更新  

コラム「エンジの笑顔」

(前のページより続く)

今年の箱根の模様
 

 実際、昨年度のア式蹴球部がそうだった。彼らの最も大事なリーグ戦の試合は、週1回ペースで1期2ヶ月弱続く。初戦に負け、ひとたび”デフレスパイラル”に足を踏み入れてしまうと、次の1週間が寝ても醒めても重圧に変わる。次は絶対に勝たなければならない…。当然、翌週の試合は重圧が倍になる。重い心は身体を重くし、パフォーマンスを下げる。そしてその結果がさらなる重圧を生んでいく…。こうして彼らは、実力差の何倍もの勝ち点差をつけられ、都リーグに降格していったのである。

 きっと、同じことがあてはまる。
 もし、競走部員が今回の予選会を”失敗”した、と思うとしよう。そうすると彼らは、まさに来年の1月まで寝ても醒めても早稲田の重圧を感じてしまうはずだ。この”デフレスパイラル”に陥らないためには、逆転の発想が必要なのだ。

 

 こう捉えてみよう。
 今回の早稲田は下馬評が良くなかったにも関わらず、安定して予選会を通過した。杉山一介(人3)は全選手中3位となる快走をしたし、1年生にも期待が持てる結果であった。また、予選通過に直結する10人目が最初にゴールした大学は早稲田であるし、大黒柱の五十嵐毅(人4)が、極度の疲労を乗り越え、復活の兆しを見せた。足りない点も見えたし、このまま2ヶ月、ポジティブに練習が積めれば、優勝争いにも加わる台風の目になるはずだ。

 まだ間に合う。選手が、スタッフが、そして我々学生が…。1人1人がこの予選会をポジティブに捉えられたら、”デフレスパイラル”はかき消せる。あと2ヶ月、競走部員は、努力に努力を重ね、最善を尽くすのだ。どうせやるならポジティブにいった方がいいに決まっている。ポジティブシンキングは非現実的な楽観論とは違う。ストイックで真面目な選手ほど、笑顔が必要なのだ。

 そして我々ファン一人一人ができること。それは彼らの活躍を信じ、エンジの快走を想い描くことだ。雰囲気は伝染する。その空気こそが彼らの”デフレスパイラル”を弱め、ポジティブな雰囲気作りに通じるはずだ。

箱根に向けて今何よりも大切なこと。
それは”今日の笑顔からはじめること”なのだ。


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(TEXT=OB寄稿、PHOTO=田村拓実)

 


   
 


 
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