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白井豪選手プロフィール
2014年早稲田大学卒
三鷹高校出身
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「迷ってたらもう23歳なんで、膝も怪我しててサッカー寿命は本当に短いと思います。
迷ってる暇はないし、それこそ自信を持ってやらなきゃ駄目だなって。」
白井豪― 昨年までア式蹴球部に所属し、自身最後のインカレで決勝ゴールを決めるなどア式蹴球部の中心選手として活躍した選手だ。
そして現在、早稲田ユナイテッドからオーストラリアでプロサッカー選手になることを目指している。
しかし海外でサッカーをやるという選択肢が最初からあったわけではない。
「Jリーグの練習参加とかに行かせてもらってたんでもうそこでチームを決めるってつもりで考えてたんですけど、そのチームに夏まで待ってほしいと言われて。それで夏までどこのチームにも所属しないとなると実戦も出来ないですしどうしようか、という時にユナイテッドでやらないかという話をいただきました。(Jリーグのチームと)結局ずっと連絡は取っていたんですけどチームの事情もあって、結局その話はなくなっちゃったって感じです。実際春の時点でもう夏に来てほしいとは言われたんですけど返事があいまいだったので、本当に希望は持ってなかったわけではないですけど、持ちすぎずにいました。」
大学を卒業したらプロになるという思いを持っていた白井には社会人チームに所属するという選択肢はなかった。しかし早稲田ユナイテッドの監督である今矢直城の話は魅力的だった。
「今矢さんの話は動くきっかけというか、もうすぐ決め手になりましたね。今矢監督に飲みに連れていってもらって、最初は世間話だったんですけど、ユナイテッドがどういった活動をしているか、ユナイテッドからプロへの道もあるということを教えてもらいました。海外の選択肢を今矢さんはすごい持っていて、自分も海外でサッカーをすることに憧れもあったので、海外でサッカーをするっていう環境があるユナイテッドが一番いいんじゃないかって。」
その話を聞いてすぐに入ると決めた。JFLも含めいくつかのチームからの誘いもあったが、プロへの一番の近道は早稲田ユナイテッドに入ることだと思った。
加えて東伏見という慣れ親しんだ場所でサッカーが出来るということはやはり魅力的だった。
「駅のコーヒーショップでアルバイトをしています。週3、4回ぐらいですね。割と楽しいです。
基本的に朝バイト、午後サッカーみたいな感じです。空いている時間は独学で英語をしてます。」
早稲田ユナイテッドの練習が週4回、自主練習を週2回と相変わらずサッカー中心の毎日だ。しかし環境はア式蹴球部の時とは大きく変わった。
「基本的にはア式の練習が終わった後、19時とかから練習しますね。あと女子部がグラウンド使ってたら端っことか、ちょこちょこ肩身の狭い思いしながら(笑)」
早稲田ユナイテッドのほとんどの選手は仕事をしているため、必然的に練習は遅い時間から始まる。それでも平日の練習に参加出来ない選手は多い。
「土日の試合では普段中々一緒に練習できない人達で試合をするっていう、部活ではそれこそ毎日学校でも一緒の選手達とやれるわけで、そういう中でコミュニケーションだったりとか試合でのチームワークとかすごく難しいなって最初は思いました。でも例えば試合が日曜にあった時に土曜の練習には社会人の人達もたくさん集まって密度の濃い練習が出来ますし、試合の後も皆で集まって戦術について話し合ったりしました。最初の頃は結果は出なかったんですけど、そういう話し合いを続けていく中でチームとしてまとまってきて、だんだんチームが勝てるようになってきたのはあります。」
限られた時間の中で練習をし、コミュニケーションを取り、それを結果につなげる。新たな環境は白井を成長させている。
ア式蹴球部で対戦した時に見た早稲田ユナイテッドのポゼッションサッカー。強さより上手さで圧倒する、ア式蹴球部の時には出来なかったそんなサッカーが出来るようになり「ものすごい楽しんでます」と白井は言った。
また、仕事終わりにスーツ姿で急いでグラウンドに駆けつけ、それでも練習時間に遅れてしまった分は練習後に自らダッシュを始める、そんなチームメイトの姿はかっこよくて憧れでもある。
「自分は働いていない中でサッカーに専念出来てるんですけど、仕事がある中でチームのために、恐らく仕事の合間をぬって動いたりしないと動けないくらい自分より運動量のある社会人の方がいっぱいいるので、本当に尊敬というか憧れる人が多いです。選手としてもそうですけど人間的に尊敬できる人がものすごい多いなってユナイテッドで感じました。
サッカー好きじゃないとあの生活はきっとできないだろうなって。」
現在早稲田ユナイテッドは関東リーグ2部入りを懸けた関東社会人サッカー大会の真っ只中。
17日に行われた2回戦では、白井の2ゴールを含む3-2で勝利し準決勝進出を決めた。皆で掲げた関東リーグ2部入りの目標。
自身の夢に挑戦する前にまずは、その目標に向かってぶれずに戦っている。
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