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[ラグビー蹴球部特集] 「黄金期への序章〜The Prologue to the Golden age〜」

ラグビー蹴球部今季総括「2002年=山下組、進化の年」

聖地・東伏見での試合前。

 「WTB仲山がライン際を駆け上がる!独走だ!あと20m!あと10m!早稲田、同点トライなるか…!しかしFB角濱が仲山を捕らえボールは関東学院へ…」あと一歩届かなかった昨年の大学選手権決勝戦。この敗戦から早稲田の一年は始まった。オックスフォード、ケンブリッジ相手に互角近くまで戦ったイングランド遠征に始まり、オープン戦初戦となった慶大戦での100点ゲーム、6月豪雨の中関東学院との1点差ゲーム、東伏見さよならイベント、夏の菅平関東学院戦における圧勝劇、上井草新グラウンドへの移転、対抗戦・Jr.選手権での完全優勝、そして念願の大学選手権戴冠…。様々な意味で激動の一年であった今季を、「山下組」の選手に焦点を当てて振り返っていきたい。

 2年目を迎えた清宮早稲田の船出は昨年2月11日の予餞会だった。ここで主将・CTB山下大悟(人4)、副将・FL上村康太(人4)の新体制に決定。予想通りか否か、名実ともにチームの柱になった山下。当初はそのキャプテンシーを疑問視する向きもあったが、『地位は人を創る』とはまさにこのこと。直後に行われたイングランド遠征からチームを統率し、次第に『早稲田に山下あり』をファンの脳裏に刻みつける存在に。個人的には今季は3年時ほど突破からトライシーンを見せることは少なかったが、「山下にはワセダのキャプテンとして必要な物がすべて備わっていた」と清宮監督に言わしめ、13年ぶりの大学選手権制覇の歴史に残る主将へと成長していった。

夏の菅平での「北風」。

 日本代表スコッド入りした山下は、春シーズンには日本代表帯同のため、度々チームを離れることがあった。そこで主将の代役を果たしたのが副将の上村だった。早くから将来を嘱望されていた上村は、更なるレベルアップを目指すべく、2年目のシーズン終了後に単身オーストラリアに留学を果たした。その上村が戦線離脱を余儀なくされた今秋、FWリーダーとしてFW陣を引っ張ったのがLO高森(教4)。LOというとラインアウトでのキャッチャーという印象が強いが、高森の場合、市川東高時代に184cm・93kgの大型WTBとして鳴らした経験がモノをいい、現役WTB顔負けのステップを切ってトライするシーンも少なくなかった。大学選手権決勝の後半13分、関東学院ペースになりかけたところでパントチャージを決めそのまま奪った貴重な追加トライも、高森のFWらしからぬ出足の良さから生まれたものだった。


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(TEXT・PHOTO=長友亮太)

 


 
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