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復路総評

 ルール改正による、”新しいハコネ”元年となった今年の箱根駅伝。初日の結果は、レース前の予想通り、山梨学院大と、駒沢大の2強対決になった。そして、早稲田大学は、予選会免除のアドバンテージにも関わらず、5区五十嵐が区間3位の健闘を見せたものの、復路の目標を、”まずシード権(10位以内)確保”に変更せざるをえない、苦しい展開を強いられることとなった。

18年ぶりの雪の箱根路

 
7区高橋。残念ながら順位を落としてしまった
 6区山下りは、往路優勝の山梨学院大からタイム差順にスタート。往路10位の早稲田はトップとの差7分43秒差のスタートとなった。今年の山下りは、18年ぶりの”雪の箱根路”となった。こたつでTV観戦する視聴者には、箱根路が綺麗にさえ見えたかもしれないが、選手にとってはこれ以上なく厳しいコンディションであったに違いない。もともと下りの高速に対応するテクニックが要求される区間の上、凍るような寒さと、路面状況の悪さの中でのレースは選手にかなりの負担を与えたはずだ。そんな中で、素晴らしい走りを見せたのは、中央大学の野村俊輔。58:54という6区唯一の1時間を切るタイムで、初日、2区藤原の快走でトップに立ちながらもその後の失速で12位に甘んじた中大の流れを変えた。早大の6区は昨年の区間賞コンビ原田・櫻井と同じ早稲田実業出身の松村(人4)。快走とまではいかなかったが、区間9位の粘りの走りをみせ、7区へと襷を繋いだ。

 続く7区、早稲田のランナーは当日のエントリー変更により、空山(人2)から高橋(人4)になった。早稲田ファンにとっては、昨年の空山の快走が鮮烈だっただけに、今年もと期待したことだろうが、出雲、伊勢から続く不調をやはり回復できなかったようだ。高橋は、昨年、予選会を走りながら箱根を走れなかった分も完全燃焼したいところであったが、個人成績区間19位に終わった。総合順位も15位に落ち、早大はシード権確保も苦しくなった。一方の優勝争いは、山梨学院の岩永が区間賞、駒沢の糟谷が区間2位とそれぞれ好走をみせ、後続を引き離したため、優勝争いは早くもこの2校に絞られた形となった。

早稲田、シード権確保が苦しくなる

ゴールするアンカー植竹。この後疲労で倒れ込んだ
8区は例年ならば気温が上がってくる区間であるが、今年は、一向に気温が上がらず、寒さの厳しいコンディションとなった。8区は「逃げる山梨、追う駒沢」の2強対決が中心となったが、駒沢の太田が区間賞の快走で首位、山梨学院大との差を58秒にまで縮め、9区のキャプテン対決に望みを繋いだ。早稲田の8区は成長著しい2年生の1人、岡部(人2)。シード権確保のためには何としても順位を上げたいところであったが、区間19位とふるわず、早稲田の10位以内は極めて苦しくなった。

9区、「復路のエース区間」では、雪の降る中、優勝争い、シード権争いともに観衆を熱くさせるレースが行なわれた。優勝争いは、山梨学院大・清家と駒沢大・島村の両キャプテン対決となったが、淡々とペースを刻んで、その差を縮めた島村が、16km近くで首位の清家を一気に抜き去り、そのまま差を広げた。結局、区間記録にはわずかに及ばないものの、区間賞の走りでチームを優勝に大きく近づけた。一方のシード権争いは、拓大、東洋、中央学院、帝京の4大学が10位集団を形成、前の東海大、日体大などを追う展開となり、シード権の行方は混沌としてきた。早稲田の9区は、後藤。一般入学、理工ながら、4年連続の箱根を走る努力の実力者。区間9位の粘りの走りで順位を1つ上げ、シード権獲得へわずかな望みを繋いだ。

全ての襷がつながって、、、

 
シード権を逃し泣く部員。来年こそ雪辱だ。
 最終10区では、駒沢大の北浦が終始、安定したペースでレースをリードした。結局、山梨学院大の森の追撃も及ばず、駒沢大が2年連続の総合優勝を決めた。なお、北浦は、1:09:54で昨年の早大・櫻井の区間記録(1:10:18)を更新した。2位の山梨学院大、3位の日大はそれぞれ去年から順位を大きく上げ、躍進した。シード権争いでは、アンカー勝負で粘りを見せた、東洋大が4年ぶり、日体大が7年ぶり、中央学院大が初のシード権をそれぞれ獲得した。10区で失速した神奈川大はまさかのシード権喪失となった。早稲田のアンカー植竹(人4)は、国学院大・片山の追走に堪えてきたが、残り600mでついにかわされ、総合15位となった。植竹自身も個人成績区間18位で、最後の箱根に有終の美を飾ることができなかった。

終わってみれば前評判通りの強さを発揮した、駒沢大学の優勝で終わった今年の箱根。山梨学院、日大などが復活を遂げた一方で、早稲田にとっては、シード権を失った苦い大会となった。しかし、新ルールによる、出場校の増加、関東学連選抜の出場、18年ぶりの雪の箱根路、繰り上げスタートがなく全ての襷が繋がるなど、様々な話題のあったこの大会は、駅伝ファンにとってはとても印象深い大会となるのではないだろうか。そして、この瞬間から、すでに来春の箱根への闘いは始まっている。来年こそ、ぜひ早稲田の笑顔を見たいものである。

 

 

(TEXT=鈴木英介、PHOTO=田村拓実、山田浩平)

 

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