━━今のコンディション
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部室に飾られたトロフィーの数々
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後藤:自分自身のコンディションは良くないのですが、残された時間で上げていけば十分間に合うと思います。悪いのはしょうがないと割り切ってクヨクヨせずに次へ向かって上げていくだけです。
篠浦:先日の府中ハーフマラソン(11月23日)に軽くピークを合わせていたので、今は軽く落ちていて少し体がアンバランスな状態ですね。残りの時間で体のバランスを整えていく必要があるので、今の状態が良いとは言えませんが悪いとも言えないので。故障さえしなければ、自分の中にある当日までのプランを遂行していくだけです。
後藤:そうですね、一番怖いのは故障と体調を崩すことだと思います。
━━個人としての目標
篠浦:前回の箱根を走れていないのでその悔しさを全身から出せるような、今年に賭けているといった勢いをみんなに見て貰いたいと思っています。その上で区間賞や前にいる選手を捕まえて引き離したりということも出来るように。テレビにも映るかもしれないですけれど(笑)、観戦している人を感動させることができるような走りがしたいです。あと、昨年の箱根には特別な事情がありまして・・。昨年に高校生の時に仲が良かった陸上の友達が事故で亡くなってしまって。そのお葬式に十一月くらいに行った時に、その人の親に「(篠浦選手が)箱根を走ったら、この子も喜ぶから」みたいなことを言われて、そのことを噛み締めて頑張ってきたのですけれど・・。箱根駅伝の前日に電話でメンバーから外れたことを報告されて、そのことがとても悔しくて。友達の着ていたズボンをもらってその切れ端を自分のパンツにつけて箱根まで持って行っていたのですが、(当日は)それを見ながら・・。今年もお守りに
(ズボンの切れ端を)入れて持って行こうと思っているので、ぜひ(箱根を)走って、その人の親にも見て貰いたいですね!
後藤:区間賞は目指したいですね。・・区間賞も大事なのですけれど、それと同時に流れを大事にしていきたいですね。駅伝には流れというものがあって、ひとりがブレーキをおこしてしまうと、歯車が狂ったようにズルズルと後ろも悪くなることが、なぜか分かりませんがある場合があります。四年生としてもそういう時は、流れが悪くなったらその流れを良く出来るような走りをしたいですし、逆に良い時もその勢いに乗って、流れを大事にしていきたいと思っています。
練習後の取材であったにもかかわらず、疲れた顔ひとつ見せず笑顔で話す後藤・篠浦両選手。陸上に関する話題の時の真剣な表情と、学生生活を話す明るく柔らかな笑顔のコントラストがひどく印象的であった。そして、アスリートとしての陸上への情熱と学生としての勉学に対する真摯な姿、大学生活を楽しもうという姿勢が強く伝わってきた。彼らはただのランナーではない。「学生」ランナーなのだ。
多くのひとが待ち焦がれた日まで二週間を切った。早稲田の、このふたりのランナーが、新春の箱根を魅了する日はそう遠くはない。
特集
箱根駅伝特集〜繋げ、臙脂の絆〜
関連URL
第79回箱根駅伝公式サイト
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