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2002/12/28 [競走部長距離ブロック]

臙脂を受け継ぐ者たち〜競走部駅伝主務 吉原健一

競走部駅伝主務。その肩書による仕事の内容は、多岐に渡る。各試合のメンバーエントリーの提出、競走部OBへの連絡、早大が開催する記録会への参加呼びかけ・・。また各種報道機関の取材申請も、主務を通さなければならない。しかし吉原はその膨大な仕事の中の一番大きいものとして、敢えてこれを挙げる。

競走部駅伝主務吉原健一
人間科学部スポーツ科学科4年

吉原チーム目標である、大きな大会での優勝に向けたチームづくりです。その為にも選手を信頼して接することが一番大事だと思っています、自主性を重んじるのがチームカラーですから。でも、そういうふうになるまでは結構大変で(笑)。おせっかい焼きというか、信頼しているつもりなのにどこか疑っている感じがあって、そうなかなか上手くいきませんでした。でも今はみんなを全面的に信頼しています!!


落ち着いた印象の吉原。ひとつひとつ言葉を選びながら話す。彼はいつから主務業を始めたのだろうか。

――主務をやるきっかけ
吉原長距離選手として入部したのですが、二年生の時から主務を始めました。主務は各学年で話し合って必ずひとり出します。誰もやりたくないのですけれど(笑)。三年生の秋の出雲駅伝までは(選手として)走りながら主務をしていたのですが、それを走らせて貰ったのを区切りに辞めました。三年生になった頃から、走りながら主務をするのはチームの為にならないのではと思い始めていて・・。でも(選手を)辞めたことに未練はないですね。主務の仕事はやりがいがあって、はまり込んでいましたから。箱根が終わったらまた自分で走れば良いですし。


自ら主務という役割を「やりがいのある仕事」と評する。事実、彼の仕事への定評は高く、チーム内からの信頼も厚い。そんな彼は主務としての自分をどう見つめているのだろうか。

――主務としての自分
吉原主務の仕事を行う上で一番気をつけていることは、選手の状態をきちんと見ることですね。練習の時はコーチと一緒にただ立っているだけですが、見ている経験が長くなるにつれて選手の状態が分かってくるんですよ。走っている時の表情で、脚が痛いのかなとか調子が悪いのかな、とかが。そういうことを気にかけながら、(選手を)見ています。ですから大事な練習がある時は、ほとんど見に行きます。自分の授業よりも選手の方が大事(笑)。でももう少し上手く自分の気持ちを表現できたら良いなとは思います。密かに頑張っていたい人なので(笑)、「おまえのために(自分は)一生懸命やってるんだぞ!」っていうのを見せたくない。でもそれだと、自分の気持ちが相手に伝わっているのか不安になってしまうんですよ。「(相手が)分かっているのかな?」って。目に見える努力まではいきたくないけれど、もっと上手く自分の気持ちを相手に伝えられたら、と思いますね。

 

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(TEXT=近藤優美子、PHOTO=近藤優美子、鈴木英介)
 


 
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