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2002/12/27 [競走部長距離ブロック]

臙脂を受け継ぐ者たち〜選手サポート島田陽介・宮村誠志

選手のサポートに必要なこと、それは情熱、確信、そしてハート。選手のサポートに必要なことは、という質問に対して返ってきた言葉だ。もとは選手として入部し、現在は選手のサポートとして活動する人が競走部にはいる。彼らの仕事とは、一言でいえば雑用全般だ。選手が人間科学部の敷地内を走る場合は接触事故を防ぐための交通整理、ポイント練習と呼ばれるチーム全体の重要な練習の時はタイム計測、普通の練習の時にただ立って選手の走りを見てあげること・・と、数えきれぬくらいの仕事がある。彼らは言う、知らない人から見ればいなくてもいいかもしれないこと、でも絶対に必要なもの。それを情熱を持ってやることが重要なんだ、と。


――情熱を持ってサポートの仕事をやることの意味

選手サポートの宮村さん。政治経済学部経済学科4年

宮村ただ立っているだけでも、気持ちのこもった人が立っていると伝わると思うんですよ。知らない人から見れば、「こんなことやって意味はあるの」って思われることも「情熱」を持ってやる。その為には「確信」が必要だと思うんですよ。例えば、朝にグランド前を掃除していても、「それはチームの為に意味のあることなの」って思うかもしれませんが、僕らはこれをやることでチームは良くなっていく!という「確信」を持っています。昔、故障した選手に交通整理をやらせたことがあったのですが、中には退屈そうにやる選手もいました。でも、そういうのって伝わらないんですよね、大事なのはハートだと思います。そして、(自分たちの気持ちは)伝わるんだっていう「確信」。ある意味、サポートっていうのはチームの枠を作っていくものだと思っているんですよ。枠が無いものってバラバラになってしまいます。その枠を作っていくのが僕たち。
島田陸上は個人競技でもありますから、そこを上手く償ってあげるんです。僕らはチームのつなぎ役になっているんだなというのはありますね。


選手のサポートは普段の練習だけではない。大会でも彼らは欠かせない存在だ。ことに箱根駅伝では。

――箱根駅伝の時の仕事
宮村ひとりの選手にふたりのつき人がつくのですが、とにかく選手の両腕となります。勿論、選手の荷物は(付き人が)持ちますし、買い物をしたり。マニュアルはなくて、自分が助けられる範囲は何でもやります。何時に起きて何時に朝食、何時の電車に乗って・・というようなことまで事前に選手と打ち合わせて、当日の行動予定表も作りますね。
島田付き人以外にも仕事はありまして、選手でも付き人でもない部員は応援ですとか声かけなどをやるのですが、この前の箱根駅伝ではその部員たちの当日の動きを考えることを担当しました。最初、当時四年生だった主務にその仕事を任されたときは付き人のほうが選手に近いような気がして、体裁の良いお払い箱かなと思ったのですが(笑)、「今年は応援もしっかりやるつもりだから」と言われて。それで、前年より応援個所を増やしたり移動を効率化させましたら、今年の応援は良かったと言われて・・、嬉しかったですね。応援にまわった部員も応援というツールを使って、確実に箱根駅伝に参加させることができましたし、そのことを通じてチーム(全体)がひとつ上の段階にステップアップ出来たのでは、と思うので。

 

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(TEXT=近藤優美子、PHOTO=近藤優美子、鈴木英介)
 


 
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