WasedaWillWin.com
 
2002/12/27 [競走部長距離ブロック]

臙脂を受け継ぐ者たち〜選手サポート島田陽介・宮村誠志

選手のサポートをする人の多くは、始めは選手として入部してきた人だ。彼らはどのような思いで選手としての第一線から退き、選手を支える側にまわったのだろうか。


――選手を支える側にまわった頃

選手サポートの島田さん。政治経済学部経済学科4年

島田三年生の三月にあった立川マラソンを走らせてもらって(選手としては)ひとくぎりつけたのですが、走り終わった後はとても淡々としていましたね。自分の中で(選手として)やるべきことはやったと思っていましたし、自分でも納得していましたから。明日からも部で頑張っていこうっていう気持ちでした。
宮村サポートの仕事をやりだしたのは、二年生の中頃からです。(サポートの)時間外では走るようにしていましたが、はっきりと(サポートに集中しようと)決めたのは三年の半ばでしたね。入部した頃は選手として走りたいなと考えていましたが、一年間部にいると選手だけではなくて様々な立場の方がいるのが分かりましたし、自分の力がないのもありました。しかも学年でひとり学連(関東学連、箱根駅伝や関東インカレなどの大会を運営している組織)に出さなければならなくて、その時自分と仲の良かった仲間がいくことになってしまって・・。学連に行ったら、忙しくて走ることさえ出来ませんから。そのようなことを通じて、自分はチームの力になっていないなと思ったのです。

――今、サポートとしての自分を突き動かす原動力
宮村遠藤さん(遠藤司コーチ)がいるからです、それが半分以上って言ってもいいくらいですね。自分は走れないけれどどうしても優勝したい、何でだろう、それは遠藤さんを胴上げしたいからですよ!!実力が上の選手に対するのと全く同じように、僕らのような力の無い選手にもその人に合った目線で愛情を注いで下さる方ですから。チャンピオンスポーツにおいて、そんなこと普通はありえないですよ!
島田「メンバーだけではなくどんな人であろうと、チームのひとりでも欠けたら(早稲田は)優勝できない」そうおっしゃったのです。


自分たちはチームのつなぎ役、自分たちが情熱を持って取り組むことがチームの活性化につながる。そのことが優勝につながり、大手町での遠藤コーチの胴上げにつながる。そんな思いを持つ彼らにとって、箱根駅伝とはどんな存在なのだろうか。


――自分にとっての箱根駅伝とは?

島田夢見る舞台であって、夢見せてくれる舞台ですね。
宮村甲子園です!ただ「早稲田の箱根駅伝」が甲子園なのかなと思います。他の大学が走っている箱根駅伝は僕にとっての甲子園ではないですね。都の西北を歌ったりする熱い人間が揃っている早稲田の箱根駅伝が、僕にとっての箱根駅伝。そういう思い入れっていうのは、ありますよ。

彼らは最後に口にした。
「今季、他の部も強いですよね。でもそれって素直に喜べないですよ」

――どうして?
「早稲田のスポーツはやっぱり競走部が引っ張っていきたいですから」

チームに対する熱い情熱、自分の役割に対する確信に満ちたプライド。彼らの存在は、選手に比べてかなり見えにくい場所にある。だが彼らの「情熱」そして「確信」がもしも欠けてしまったら、「早稲田の箱根駅伝」は決して成立することはない。彼らがチームの熱いハートに火をつけていることは、確かだ。


小特集「箱根駅伝を支える裏方達」
競走部駅伝主務「吉原健一」
トレーナー「小松良平」(12/29更新予定)

 

特集
箱根駅伝特集〜繋げ、臙脂の絆〜

関連URL
第79回箱根駅伝公式サイト

 

 

2/2

 

(TEXT=近藤優美子、PHOTO=近藤優美子、鈴木英介)
 


 
WasedaWillWin.com HOMEへもどる