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来季はキャプテンをつとめる徳永悠平(人3)
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今年の早稲田は強い。その言葉通り、4月に開幕した東京都トーナメントでは格下相手ではあるものの、 4連勝の快進撃を見せ、今季のア式蹴球部の戦いは始まった。初戦の上智大戦では順当に3-0で勝利を収め、その勢いのまま明治学院大に対しても徹底した押し上げの意識、セカンドボールの支配など、常にゲームの主導権を握っての試合展開を見せ、2-0で勝利をものにした。また、この勝利によって関東大会出場の切符を手にした早稲田は続く一橋大戦でも安定したディフェンスから相手に決定機を与えることなく2-0での勝利をあげた。次の日大文理戦に関しては、徳永悠平(人3)、矢島卓郎(人3)といった個人の力から得点機がうまれるなど、早稲田の持ち味を発揮した試合運びで、4-0と気持ちのいいかたちで東京都トーナメントを締めくくるとともに天皇杯都予選出場権を手に入れた。
しかし、東京都トーナメント以後、厳しい試合が続くこととなった。関東大会選手権、天皇杯東京都予選と立て続けに日大、国士舘大に0-1、1-3で敗れた。リーグから見れば、格上に位置づけられるが、敗因としてはチームの経験の浅さがものをいった試合となった。また、早慶サッカーにしても早稲田の脆さが露呈してしまう。ボールを圧倒的に支配するという精神的余裕から、つまらないミスで得点を献上するなど試合に対してのアグレッシブさを欠いていたことが、引き分けの致命的な要因となってしまった。9月から開幕する都リーグへむけて、いくつかの課題が浮き彫りになった時期でもあった。
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早慶戦では終始攻めながらも引き分けに終わった |
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都リーグが開幕すると、初戦から朝鮮大に対して4点差をつけての勝利を収め、最高のかたちでの滑り出しを見せる。特に中盤を献身的に動き回り、チャンスを演出した兵藤慎剛(スポ1)の活躍が目立った。続く第2節の国学院大との試合に関しては、徳永と兵藤を欠く中、中盤でのプレス、ラインコントロールなど、随所に安定した強さを見せ、相手に攻撃の糸口を与えない危なげない試合運びで、3-0で勝利を飾った。しかし、第3節となる立正大戦から、徐々にチームの歯車が狂っていく。立正大には辛くも2-1で勝利するものの、4節の日大文理戦ではリーグ戦初となる1-2というスコアでの黒星となってしまった。また、5節の東洋大に対しても切れのいい動きは見られず、1-1と引き分けに終わり、前節の立て直しはできなかった。さらに6節、都リーグではおそらく一番のライバル校でもあり、勢いに乗る日体大との対戦では、試合を通して、選手の動きは重く、決定機を決めきれないというよくない流れの中、試合が進んでいく。このような流れの中、一番気をつけたいセットプレーからの失点を許すと、そのまま試合終了に至ってしまった。0-1での負けを喫し、この時点で都リーグ優勝の可能性を失ってしまった。しかし、最終戦の拓殖大戦では兵藤の合流もあり、ボールがスムーズに流れるなど、2-0と久しぶりに無失点での勝利となった。早稲田が第3節以降思うような試合運びができなかった理由として、8チーム中6チームが関東2部昇格をかけた関東大学サッカー大会の進出をできるという枠の甘さから、選手の気持ちに余裕が生まれた結果としての失速であったのかもしれない。
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