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[ア式蹴球部特集] 新生ワセダ 真の復活へ

ア式蹴球部今季総括「名門復活への狼煙を上げた2004年」

今季は攻守ともに大活躍を見せた兵藤慎剛(スポ1)

 関東大学サッカー大会でCブロックに入った早稲田は桐蔭横浜、白鴎、国際武道大と格下相手との試合となり、すべての試合において圧倒的な試合内容で危なげなく勝利をものにしていった。特に、最終戦の国際武道大戦では今年のチームの象徴的な活躍を見せた徳永、矢島、兵藤らが存在感を見せ、今季最大の目標である関東2部リーグへの昇格をあっさりと決めた。

 今季の締めくくりとなる新人戦では新たな活躍を予感させる選手がすばらしいプレイを披露してくれた。初戦となる3回戦、武蔵大戦では序盤にディフェンスラインのミスから失点するも、それ以降は主導権を握り、圧倒的な強さで8-1と快勝であった。準々決勝の日大文理戦では、初戦の課題でもあったディフェンスラインの修正も見られ、安定したラインコントロールから2-0とスコア以上の活躍を選手たちは見せてくれた。さらに準決勝では日体大を3-0でやぶると当然のように決勝へと駒を進めた。決勝では国学院大に敗れるも、来季へ向けて期待をうかがわせる選手が試合という舞台を通して、結果を残したことは大きな収穫であった。

新人戦の決勝に敗れサポーターの所へ向かう選手達

 しかし、課題はいくつも残っている。早稲田は来季から関東2部に所属することになるが、関東2部には1部に遜色ない質の高い選手が揃っている。ア式の選手それぞれの個性を押し殺すことなく、組織として纏め上げていくことができるかに来季の結果がかかっているだろう。それに加えて、新人戦で活躍した生え抜きの選手を試合に起用していくことで、チーム内での競争意識が高まり、選手全員がアグレッシブなサッカーをしてくれるだろう。さらに、得点を許さない時の早稲田は本当に強かったというのが、今季の印象である。特に先制点をあげた試合というのは、ボールキープ、守備の崩し方、セカンドボールへのプレス、どれをとっても圧倒的な試合内容であった。しかし、一番要求されていることは、1−0であってもとにかく勝つという精神的な強さである。関東2部のリーグの対戦校を見ても、早稲田は選手のスキルから見れば、一歩抜きん出ている。しかし、都リーグ同様、相手は守備を徹底することが予想される。このような試合展開の中、どのように得点機を創りだしていくかが課題である。また守備面に関しては、今季の早稲田に見られがちだった前がかりとなった時にカウンターから得点を許すシーンにどれだけ対応できるかである。しかし、新人戦では都リーグの課題でもあったこの点をクリアした結果として、トーナメントを通してわずかの2失点であった。大榎監督には来年2部リーグで戦う際のシミュレーションがすでにできているのかもしれない。この試行錯誤の一年間を来季に生かし、早稲田にとって1997年度以来8年ぶりとなる関東1部リーグに復帰して欲しい。

 


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(TEXT=村山裕太、PHOTO=丸田健悟、普川まど香)


 


 
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