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 ア式蹴球部特集「新生ワセダ真の復活へ」、巻頭インタビューとして今年から早稲田を率いている大榎克己(S.63教育卒)監督にお話を伺いました。監督は早稲田大学を卒業後、一昨年まで清水エスパルスで現役Jリーガーとして活躍しておられました。今回は大学サッカーについて、ご自身の経験なども交えてお話をしていただきました。


(飛込界の)世界はすごく進んでたんですよ。追いついていくように頑張らないと。

――現在大学サッカーの地盤沈下が世間では言われていますが、そういった中で大学サッカーの立場をどのようにお考えですか?
 たぶん今はJリーグができて10年ちょっとになると思うのだけれど、(大学サッカーは)もう1回見直される時期が来ていると思うのだよね。高校終わってみんながみんなJリーグって言っていたのが、自分自身Jリーグを経験して、ある程度、選手も大勢見てきたのね。やっぱりそういう中で大学に行って、まぁ別に学歴がどうのこうのだけじゃないけれども、まだ日本の社会は学歴的な部分もあるし、この4年間で色んな人と知り合って、色んなことを経験して、人間的にも大きくなって、そこでサッカーも学んで、それから「俺はまだプロでやれる」っていうまで土台作りをしっかりしてからでも遅くない。まぁ今はJリーグの方でもセカンドキャリア(注)とかをやっているけれども、やはり選手は一生現役の選手でやっていけるわけじゃないし、そこから先の方が長いわけで…。そのためにも、学歴をつけるだけではなくて、人間的な幅がないと選手生活が終わってから色んな道に行って生きていくのは厳しい。そういう意味で色んな人と知り合うこと、大学で友達と付き合うこと、それだけでも大きな意味がある。高校を出てすぐJリーグに進むっていうのは、本当にもう何人か、試合に出てもすぐに戦力になれるような選手が行くのであって、やっぱり大学で1回(自分自身を)作り直すっていう時が来ているのではないかなと思っています。
 注 セカンドキャリア…選手の引退後のキャリアをサポートしようという活動

――プロチームと大学のチームの1番の違いは?
 やはりプロはそれを職業にしているということと、大学のチームはみんな学生であるということ。今早稲田には部員が80人くらいいるのだけれども、やはり練習の効率的な面から言えば、人数は多いよね。ただプロチームみたいに強くしたいのだったら25人とか30人弱で十分だと思う。でも大学のクラブであるということで、その門は広くしておいてあげないといけないと思うし、「ア式でサッカーやりたい」という希望を持って入ってくる学生がいるわけだから、そういう学生を受け入れる体制は整えてやらなければいけない。全員がサッカーで生活していこうと思っている学生だけではないのでね、まぁ中にはいるけれども…。みんな将来は違う方向に行くわけだけれども、ただ4年間ここに入ってきたからには「試合に出たい」とか「強くなりたい」という強い気持ちで入ってきているわけだから、そういう学生たちにいい経験をさせてやりたいし、4年間という素晴らしい思い出作りはしてあげたい、と。

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(TEXT=普川まど香、PHOTO=中島和朗)

 

 


 
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